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No.15 ジメチルジスルフィド、植物の毒ガス兵器

2009 - 04/21 [Tue] - 20:30

タマネギやニンニクに含まれる硫黄(S)を含んだ含硫化合物――
猫や犬には危険でも、人間にとってはありがた~い成分みたい。
病気を予防したり健康を増進してくれる植物由来の化学物質のことを、
なんでもフィトケミカル(Phytochemical)って呼ぶそうです。
【phyto】っていうのはギリシア語で「植物」を意味するんだそうな……
フィトンチッドの【phyto】と同じですね。
「植物栄養素」ともいうそうですが、いわば”自然のお薬”っていうわけです。
ただし……

いくら良いものでも、摂りすぎは禁物――ですよ!

ちょっと話を変えましょう。
次に紹介する化学物質をご存知の方がいたら……多分まにあっくの仲間です

毒ガス
左端の化学物質はチオジグリコールともいいます。
低毒性の有機溶媒で主に染料の溶剤として利用される他、
インクジェットやボールペンのインクにも用いられています。

1886年、ドイツの化学者ヴィクトル・マイヤーは、
チオジグリコールの「OH」を塩素(Cl)に置換して新しい化学物質を合成しました。
それが真ん中のビス(2-クロロエチル)スルフィドです。
ちょこっといじっただけだったにもかかわらず、
この化合物はマイヤーの手に負えない恐ろしい”化け物”でした。

マイヤーは実験の継続を放棄しましたが、
この”化け物”に目をつけたのが軍部だったのです。
ドイツは民間のプラントを利用して、
ビス(2-クロロエチル)スルフィドの大量生産に乗り出します。
そして1917年7月12日、西部戦線の膠着を打開すべく、
ドイツ軍はイーブル戦線でこの”化け物”を実戦使用したのです。

これは皮膚に化学火傷を生じさせる【びらん剤】に分類される化学兵器で、
第一次世界大戦で最も被害を出した毒ガスとして有名です。
はじめて使用されたイーブルの地名を取って「イペリット」と恐れられ、
あるいはからしの様な臭いがすることからマスタードガスと呼ばれました。

だから化学物質は恐ろしいのよ(>_<)

いえいえ、そんな陳腐なことをいうために持ち出したんじゃありません!
続きをどうぞ……

カビなどの微生物は、宿主から栄養を吸収します。
アミノ酸の一つであるシステインもピルビン酸に変えられ、
これを原料にしてエネルギー源となるグルコースを合成します。 糖新生といいます

図をクリックすると拡大します
含硫化合物
システインからピルビン酸に転換する際にNH3とH2Sが放出されます。
NH3はアンモニア、そしてH2Sは硫化水素です!
卵の腐った臭いを伴う猛毒の毒ガスとして有名で、
最近では自殺に利用されて社会問題になっています。

この硫化水素から、一連の含硫化合物が生じます。

 チオール化合物
硫化水素がアルコールと反応し、
アルコールの酸素(O)硫黄(S)に置換されます。
メタノールからはメタンチオール、エタノールからはエタンチオールが生じます。

 ジスルフィド化合物
チオールは非常に不安定な化合物のため、
酸素などによって酸化されてジスルフィドに変わります。
メタンチオールが酸化したものがジメチルジスルフィドです。
エタンチオールならジエチルジスルフィドになります。

 スルフィド化合物
チオールとアルコールが反応すると、硫黄(S)が1ヶのスルフィドになります。

さて昨日の話しを思い出してください。
アブラナ科の野菜からは、ジメチルジスルフィドが放散されます!
アブラナ科っていえば白菜・大根・キャベツ・ブロッコリー……
”有名どころ”がずらずらです。
山葵もそうだし、からし菜、つまりマスタードもアブラナ科なんです!

タマネギやニンニクのフィトケミカルとは、
硫黄(S)から伸びる”腕”、つまりアルキル基が違うだけ。
そこで、これらも同じような性質を持った化学物質と考えて差し支えありません。

一般に、含硫化合物のにおいは不快臭といわれます。
しかしそのイメージとは裏腹に、低濃度では魅惑的な芳香となるようです。
意外かもしれませんが、
発酵食品である味噌や醤油に含まれる含硫化合物が食をそそります。
玉露や抹茶が煎茶の香りと異なるのも、含硫化合物の含有量が多いからです。
さらには花の香り成分にも含まれている。
なにより香料成分として食品添加物にも使われている!!! 

臭くならないの(?_?)

匂いって不思議でしょ?
そういえば、こんな話を聞いたことがありませんか?

熟成させると肉の旨味が増す

”熟成”っていうと聞こえはいいですが、
別の言い方をすれば、腐敗が始まるその一歩手前ってことでしょ?
しかし肉はこの頃が一番上手いんだそうです。
すでに低濃度の含硫化合物が放散され始めているはずです。
それを嗅いだ人間は、思わず食がそそられて舌なめずりしちゃうのです\(^o^)/
腐敗

ところが、腐敗が進んで濃度が高くなってくると【危険】の合図。
それと同時に不快臭から、さらには刺激臭と感じるように変わります。

キャベツの腐った匂い、ぬか漬けの匂い、牛乳を拭いた雑巾の匂い

嫌なにおいの代名詞ばっかりです(>_<)

さらに高濃度になると、有害な作用も表面化します。
ここで、【図】の中で紹介したジエチルスルフィドをもう一度とくとご覧ください!
硫黄(S)を真ん中に挟んで、エチル基を両側に広げてます。
両端のCH3水素(H)が、各々1ヶずつ塩素(Cl)に置換されたら何になる?

マスタードガス――なのです。

確かに、マスタードガスのような毒ガスは”別格”かもしれません。
しかし含硫化合物は同じ仲間です。
やっぱり”兄弟”だなって納得しちゃうのです。
たとえばジメチルスルフィドならこんな感じ……

皮膚、眼等を刺激し、薬傷を起こす。蒸気は麻酔作用があり、蒸気を吸入すると、のど、気管、肺が刺激され、肺水腫を起こすことがある。中枢神経系に強い毒性作用を及ぼし、中枢神経系がまず興奮状態となり、最終的には麻痺する。

薬傷というのは化学火傷のこと! まさに【びらん剤】です。
もちろん、天然成分であっても有害性は同じこと。
低濃度では健康にプラスの働きをしてくれても、
高濃度になれば”凶暴な一面”をあらわにしてダメージを与えます。

だって、植物も生き残るのに必死なんです!
”毒ガス”を吐き出して、食べられないように自衛しているわけ
つまり、天然物か合成物かというのは本質的な問題じゃ~ない。
やっぱり肝心なのは毒性学の大原則……

あるものが毒になるか薬になるかはその用いる量による 

曝露量が重要っていうことです。

カビが放散するMVOCsにも、ジメチルジスルフィドが含まれていました。 覚えてる? 
ジメチルジスルフィド(Dimethyl disulfide)とは、二硫化ジメチルに同じです。
あるいは二硫化メチルと呼ぶ場合もあります。
ただし、これだけとは限らないでしょう。
MVOCsとして何種類もの含硫化合物が放散されると考えるべきです。
そしてカビによるシックハウスを防ぐ最善の方法は……

カビの発生を抑えてMVOC濃度を低く保つ――これに尽きます!

殺菌剤の使用は、次善の策と考えるべきでしょう。

ところで最初に紹介した化学物質、右端の紹介がまだでした。
ビス(2-クロロエチル)メチルアミン――通称ナイトロジェンマスタードです。
これはマスタードガスの硫黄(S)窒素(N)に変えて作用を穏やかにしたもので、
冒頭で紹介したのは3タイプある中の1つです。

マスタードガスやナイトロジェンマスタードには、
強力な刺激作用の他に、DNAを阻害する【変異原性】があることがわかりました。
つまり……発癌物質ということです!
第二次大戦中にこの事実を”発見”したアメリカ軍は、
極秘裏にナイトロジェンマスタードを抗癌剤として転用する研究を行いました。

え~っ(゜o゜)

そう感じるかもしれませんが、
細胞を殺すってことは、癌細胞も殺せるということなんですよ。
まさに毒をもって毒を制す――ってわけです。

こうしてナイトロジェンマスタードは、抗癌剤 第1号という栄誉を手にしました。
癌の化学療法は、全てここから出発しています。
そこで改めて思い出してください。

あるものが毒になるか薬になるかはその用いる量による パラケルスス

重要なのは天然物か合成物かということじゃない――って納得してくれる?



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