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健康な家っていうけれど、暑さ対策は大丈夫?

2009 - 08/07 [Fri] - 21:54

外部環境が変化すると、
身体には内部環境を変えようとする【力】が加わります。
しかし【力】に抗して内部環境は一定に維持され続けることから、
身体には内部環境を一定に保つ”抵抗力”があることがわかります。
こうした”抵抗力”を恒常性(ホメオスタシス)と名付けたのは、
アメリカの生理学者ウォルター・B・キャノンでした。
20世紀初頭のことです。

さらに、彼は外部から加わる【力】をストレス(Stress)と呼びました。
【ストレス】とは本来物理学上の用語で「応力」のことです。
この言葉を、はじめて医学分野に用いたのもキャノンでした。

しかし、【ストレス】の考え方をさらに発展・普遍化し、
その基礎を築いたのはカナダの生理学者ハンス・セリエです。
彼は外部から有害な【力】が加わると、
その種類を問わず同じ症状が生じることに気付きました。
このような生体防衛反応を汎適応症候群と呼び、
『Nature』誌上に発表したのが1936年です。
【汎適応症候群】とは、私達がいう”ストレス状態”のことに他なりません。

今日では外部から身体に加わる【力】もストレスといいます。
ただセリエはこれをストレッサーと呼び、
ストレッサーによって身体に生じた歪みと、
それに抗する防衛反応をストレスと呼んで区別しています。
正確にいえば身体にストレスを生じる【力】がストレッサーとなりますが、
ここでは厳密に区別せず、両者をまとめてストレスと呼ぶことにします。

  1.物理的ストレス→→→温度・湿度・紫外線・音など
  2.化学的ストレス→→→煙草・酒・食事など
  3.生物的ストレス→→→細菌・ウィルス・カビ・花粉など

ただ同じ環境下に置かれても、
人間の受け止め方でストレスを生じることあれば生じないこともあります。
そこでセリエ以後は人間側の能動的対応も重視されるようになり、
新たに次のようなストレス(ストレッサー)が加味されて今日に至っています。

  4.精神的ストレス→→→不安・怒り・喜び・悲しみなど
  5.社会的ストレス→→→家庭環境・職場環境など

今日ではストレスといえば精神的、心理的なものを真っ先にイメージしますが、
それだけがストレスではありません。
またシックハウスというと化学的ストレスばかり取り上げられますが、
それだけが住む人に有害なストレスとなるわけでもありません。

私は、健康な家は適度な良い刺激に溢れた家と考えています。
そのためには、室内空気が有害な化学物質に汚染されていてはいけません。
それはいうまでもないのですが、
化学的ストレスの問題さえクリアしていればOKかといえばそんなことはない!
一日中薄暗くて騒音の喧しい家を”健康な家”とはいえません。
カビや花粉に悩まされる家も”健康な家”ではありません。
もっと大事なのは家族の人間関係です。
いくら立派な家を建ててもご夫婦が毎日喧嘩ばかりしていたら、
その家は小さな子供たちにとって”健康な家”といえるでしょうか?

建築業者は健康な家という言葉を軽々しく口にする嫌いがあります。
自然素材を使った健康な家――どこでも目にする宣伝文句です。
しかし、”健康な家”とはそんなにお手軽なものじゃない!
大切な住まい(house)を病気(sick)にしてしまう原因は多種多様です。
その全てに対応できてこそ、はじめて”健康な家”は完成します。

さて。
身体に有害なストレスには物理的ストレスも含まれます。
その一つが温度であり、
自然界の温度がいつも人間の適温というわけではありません。
それどころか適温でないことの方が普通でしょう。
人間には常に温度的なストレスがかかっているのです。
これを熱ストレスといいます。

この熱ストレスに抗するため、人間には体温調節機能が備わっています。
ただ身体の防衛反応は無意識に作動しますから、
私達が特に意識することはありません。
気付かない内に深部体温は一定に保たれているのですが、
その中枢として機能するのが視床下部というわけです。
ちなみに、約1500gもある脳の中で視床下部が占める重さはたった5g程度。
この非常に”小さな部分”に、大切な生命維持機能が濃縮されているのです。

【補足】
逆に考えれば、単に生命活動を維持するにはその程度の脳で十分だということでしょう。
しかしより適応力を高めるため、ヒトの脳は巨大化しました。
私達が社会を営み、文化を創造して豊かに生きられるのはそのおかげです。


ただし過度の熱ストレスが加わると、終にはそれに抗しきれなくなります。
体温調節機能が破綻してしまうわけで、
これが熱中症に他なりません。
私の知る限り、室内の化学物質汚染で命を落とした方は記憶にない……
ところが熱中症で亡くなっている方は、毎年膨大な数にのぼっています。

熱中症-1
図は国立環境研究所のHPより引用

人口動態統計によれば、熱中症による死亡者数は明らかに増加傾向にあります。
注意していただきたいのは、1995年に国際疾病分類の変更が行われています。
そのため、それ以前と以後を単純に比較することはできないでしょう。
しかし1995年以降に限っても、
毎年たくさんの方が命を落とし、死亡者数が年々増加していることがわかります。
一番右端の2007年には 904名 の方が熱中症で死亡しています。
2007年は猛暑でした。
熱中症の発生には気温と強い関係があるので、死亡率は猛暑の年に高くなります。
ただしそれ以外の年でも、死亡者が「ゼロ」ではないという点にご注意ください。

熱中症は体温調節機能の破綻により起こる熱ストレス疾患ですが、
その発生には単に気温ばかりでなく、
体内での熱産生、循環系・内分泌系などの生理調節機能も関与します。
このため同じ熱ストレス環境下でも適応能力に余力のある若い方より、
適応能力の低いハイリスク集団の方に”被害”が集中します。
そこで、病気などで体力の低下している方は注意が必要ですし、
特に高齢者は要注意です。

熱中症-3
図は国立環境研究所のHPより引用

65歳未満の方の場合には、
日最高気温が30℃を超えると熱中症が増加しています。
乳幼児も適応能力が低いハイリスク集団ですが、
保護者に守られるおかげで温度による顕著な増加を示しません。

しかし、65歳以上の方になると明らかに違います。
気温の上昇とともに熱中症が増加する点は同じですが、
日最高気温が33℃を超えると急増することがわかります。
最近では35℃を超える日も珍しくなくなりましたが、
そんな【猛暑日】になるとリスクは一気に増大します。

私の経験から感じていることですが、
街中の気温は気象庁の発表値より3℃程度高くなります。
この場合、日最高気温が35℃の日は、
実際には約38℃に達していることになります。
こうなると体温より気温の方が高いということ!
本来なら必死に熱を放散して暑さに適応するわけですが、
適応能力の低下した高齢者では適応破綻を起こしてしまうのです。
若かりし頃には耐えられた温度でも、
加齢とともに熱ストレスに抗する”閾値”が下がることを肝に銘じてください。

ハイリスク集団の方にとって、屋内環境を整備することも重要です。
64歳未満では女性より男性の発生率が圧倒的に高いのですが、
それは屋外での労働や作業に従事する方が多いことが一因でしょう。
熱中症の約60%が屋外で発生しています。
しかし、65歳以上の高齢者になると様子が違ってきます。

熱中症-2

この【図】は日本救急医学会(平成19年)で発表されたものですが、
【日常生活】を営みながら熱中症になっているケースにご注目ください。
その平均年齢は「59.4歳」であり、
高齢者は普通に暮らしていても熱中症になる危険があることを意味します。
しかも、男女差がありません。
暑い日にどのような行動をしていたかという問題以上に、
身体の体温調節機能が低下していることがハイリスクの原因だとわかります。

その上、高齢者になると屋内での発生率が20%を超えます。
アメリカでは熱波による屋内での熱中症発生が問題視されていますが、
日本ではまだまだ関心が低い。
熱中症=屋外と考える傾向が強くありませんか?
しかし高齢者のようなハイリスク集団に関しては、
暑い時期の屋内環境の重要性がもっと認識されるべきだと思います。
健康に悪いのは、寒さばかりではないのです。

特に、就寝中の熱中症にはくれぐれもご注意ください。
本来なら一日の疲れを休める睡眠が、
時として命を奪う”死の睡眠”になりかねません。

体温が高温化することをうつ熱といいます。
これを防ぐために人間は汗をかいて放熱するわけですが、
蒸し暑くて風のない夜だとそれも上手くいきません。
それどころか、もともと高齢者は放熱機能が低下しているのです。
こうして体温はどんどん上昇します。
そこで身体は熱産生を抑える”策”に出ますが、
就寝中は活動もしていないので削れる熱はそう多くありません。
しかし、生命の危機は確実に迫ります。
身体を構成するタンパク質は熱に弱いため、
深部体温が42℃を超えると細胞の壊死が始まってしまうのです。

そこで、身体は”究極の選択”に迫られます。
呼吸循環器系の安全性よりも体温調節を優先し、
呼吸運動と筋緊張を抑制して代謝量を極限まで切り詰める――
こうなると肺換気量も低下しますから、
血中の酸素濃度は次第に低下します。
これで体温が回復すれば生命の危機を脱しますが、
そうでない場合には……

覚醒することなく重篤な低酸素血症になってそのまま死に至る

熱帯夜の夜、昨日まで元気だった方が突然死んでしまうのです。
実は、赤ちゃんに見られる乳幼児突然死症候群(SIDS)でも、
同じメカニズムが働いているのではないかという説が注目されています。
この場合は寒い冬場に発生することが多く、
気遣って暖房の効いた部屋の中で厚着させたことが徒となります。
体温が上昇してうつ熱となり、
自分で布団を剥ぐこともできない赤ちゃんはオーバーヒートしてしまうという考えです。
熱中症とは違いますが、熱ストレスへの適応破綻という点では同じ。
暑さの怖さを侮ると恐ろしいことになります。

しかし、その怖さを知らない方が多すぎます。
それどころか温暖化の影響で熱中症のリスク増大が懸念される中にあってさえ、
「快適な冷房なんてかえって良くない」と勘違いしている方が少なくありません。

極論であるが人や自然の生理的適応能の発達を信じて、温暖化の進行を傍観し自然の成り行きに任せるという意見も根強くあるが、これまでの研究成果の多くは、地域住民の明白な適応限界(閾値の存在)を示している。

これは安藤満先生(富山国際大学)らが、
「温暖化による熱ストレスと熱中症」(『地球環境』Vol8.No.2)の中で投げかけた疑問です。
人間の適応能力に限界があるのを無視して、
自然の力だけに頼ろうとするのは誤りではないでしょうか?
それで「身体の鍛え方が足りない」などと主張するとしたら、
身体的弱者を差別しているのに等しい暴論です。
”健康な家”とは、どんな人にも優しい住まいでなければなりません。

安藤先生らは、熱中症対策をこう提案しています。

熱中症発生抑制のためには、猛暑下の屋内外環境のリスクを精査し、環境改善に努める

夏の猛暑下でも室内の温度・湿度を一定に保てる家を普及させることは、
特に重要な【環境改善策】といえないでしょうか?
そのためには、断熱気密の水準をUPさせるしかありません。

日本の風土には風通しの良い隙間だらけの家が相応しい

とんでもない!
今時そんな家は、死に最も近い究極の”シックハウス”といえるでしょう。

最後に。
セリエの汎適応症候群をもう少し紹介しておきましょう。

熱中症-4

ストレスが加わると、身体は緊急反応を起こします。
これが【ショック相】であり抵抗力は低下しますが、
すぐさま生体防衛反応が作動して抵抗力が回復します。
これが【反ショック相】であり、身体の適応が開始されたわけです。

ストレス状態が短時間で解消されるならこれで終了です。
動物が外敵に遭遇しても、
相手が弱いと見れば闘い、強いと見れば逃げ出すでしょ?
キャノンはこれを『闘争か逃走』と表現しましたが、
そのおかげでストレスが持続することもありません。

しかし、集団で社会活動を営む人間はそういうわけにはいきません。
ストレスが続くと【警告反応期】から【抵抗期】に移ります。
これは生体防衛反応によってストレスが隠蔽(マスキング)され、
身体の抵抗力との間にバランスが保たれている時期です。
この適応能力の高さこそが、
今日のように人類が繁栄できた原動力だと思います。

ただし、生体防衛反応には膨大なエネルギーを消費し、
次第に抵抗力は低下していきます。
人間の適応能力といえども限界があるのです。
こうして【疲はい期】に入ると抵抗力は一気に低下し、
再び【ショック相】と同じ状態に陥ります。
これが適応破綻に他なりません。

抵抗力を失った人間は、
体温を調節し維持することすらできなくなります。
他人の言葉をそのまま鵜呑みにし、
簡単にマインドコントロールされてしまうこともわかっています。
高齢者が詐欺の被害に遭いやすいのも、
適応能力の低下と関係があるのかもしれません。
そしてさらにストレスが加わり続ければ、
体内環境の恒常性すら維持できなくなります。
ということは……最悪の場合には死に至るという意味。
ストレスとは、かくも恐ろしい”病”なのです。

化学物質過敏症も適応破綻の一つと考える意見があります。
脳の機能低下というのが私の持論ですが、
ストレス反応の中枢が視床下部であることを踏まえれば、
表面的には”適応破綻”の症状が出てもおかしくありません。
ただし身体が感じるストレスは、化学的ストレスだけではありません。
個人的には精神的ストレスの影響も無視できないと考えていますし、
抵抗力の疲弊した身体には暑さ寒さもこたえます。

自然素材を使えば大丈夫

そんな”能天気”な声を耳にすると、
「何もわかってない……」とガッカリしてしまいます。
失礼ですが、そういう方々には、
軽々しく”健康な家”という言葉を使っていただきたくありません。



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