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バケツから溢れ出す水-総身体負荷量-

2009 - 08/21 [Fri] - 21:48

変な言い方ですが、化学物質過敏症は手垢にまみれています。
純粋に医学的見地から論じられるよりも、
どちらかというと【化学物質の怖さ】を裏付けるエピソードとして利用されてきました。
そこでその病態はしばしば大袈裟に誇張して語られ、
発症メカニズムも神秘主義的に語られてきました。

ここで、無作為に検索してヒットしたサイトの記述を引用してみましょう。

体が耐えられる一定容量(許容量)というバケツにいろいろな化学物質がそそぎ込まれ、それらの総和が総身体負荷量です。……このバケツがいっぱいになると、微量でも、バケツから水がこぼれてしまうように、極微量の化学物質に暴露されても症状が発現してしまうようになります。これが化学物質過敏症です。

いえいえ、化学物質過敏症はそんなものではありません
しかしこういう説明を耳にした人は多いはずで、
あたかもこれが”通説”であるかのように流布してきました。
次のような【図】で説明されているのをご覧になったこともありませんか?

総身体負荷量-1

水道から流れ込む水が有害刺激を表しており、
これが溜まり続ければいつか水はバケツから溢れ出します。
ただしバケツの大きさには個人差があるため、
同じ環境にいながら発症する人もいればしない人もいる――と続きます。

総身体負荷量-2

こんな子供だましの説明を多くの大人が信じてきたのは滑稽ですが、
どうしてこんな説明がこれほどの説得力を持ったのでしょう?
日本に【化学物質過敏症】を”広めた”のは、
石川哲・宮田幹夫両先生(北里大学)です。
その功績は計り知れないと思いますが、
数ある仮説の中から取り上げたのがこの”バケツのお話”です。
よりによってこんな仮説が真っ先に紹介され信じられてしまったことは、
化学物質過敏症にとって最大の不幸であったと思います。

元をさかのぼれば、この説はアメリカのレイ(William J.Rea)の主張する仮説です。
しかし彼自身の説明を検討していくと、
バケツから溢れると発症する――そこまで単純ではない様子。
日本ではかなり簡略化して流布されてしまったようです。

図をクリック数と拡大します
総身体負荷量-3

レイの考えでは、
身体には様々な負荷(load)がかかります。
それを大きく分けると……

  1.物理的負荷
  2.化学的負荷
  3.生物的負荷

ここで思い出してください。
この発想はセリエのストレス学説の受け売りであり、
【load】とは【stress】や【stressor】と同義であると考えて良さそうです。
身体にかかる負荷(load)を合計したものが Total Body Load であり、
これを日本語に訳すと総身体負荷となります。

ただしこれが”樽”から溢れ出すには他の要因も影響します。
個人には「生化学的個人差」があるわけであり、
これが適応能力や感受性を左右します。
【bipolarity】は「双極性」と訳され、
一般には精神医学で”鬱”と”躁”の両方の傾向を示す場合に用います。
しかしここではこの意味ではなく、
単に”敏感”であるか”鈍感”かという程度と思われますから、
「感受性」とでも訳すのが妥当でしょう。

さてこうした個人差と総身体負荷の兼ね合いにより、
場合によっては Total Body Overload が生じてしまいます。
これは個々人の適応限界を超えた過剰負荷ですが、
”樽”から溢れ出すことですぐさま発症……いたしません。
病的状態に陥るのはまだ先です。

過剰なストレス状態が続くと、身体には適応反応が生じます。
防衛反応といっても良いでしょう。
セリエのストレス学説では【警告反応期】から【抵抗期】に至りますが、
レイはこれを【Spreading】と表現しているのでしょう。
しかしそのままストレス状態が終わらないと、
最終的には適応破綻から【疲はい期】に至ります。
ここに至ってはじめて過敏状態の【Switch】が入るというわけです。

こうしてみると、レイ説はストレス学説に準拠していることがわかります。
身体に負荷をかける原因の一つが化学物質というわけですが、
こうした観点を踏まえてホルムアルデヒドの刺激性が問題視されたのでしょう。
空気中のホルムアルデヒドは0.08ppm程度で刺激臭として感知され、
それ以上になると目や気道の粘膜を刺激します。
「目がチカチカする」のはこれが原因で、
1ppmを超える濃度で違和感を訴える人が多くなります。
このとき粘膜上には炎症反応が生じています。
そこでアレルギーとは異なるけれども、
化学物質過敏症も免疫系の病気と考える傾向が強かったように感じます。

適応破綻を起こしてしまうと、
このような化学物質の刺激に敏感に反応するようになる。
これが化学物質過敏症――と考えるのがレイ説です。
適応破綻を起こした身体は”他の刺激”にも敏感に反応します。
物理的刺激である電磁波(低周波電磁界)もその一つで、
電磁波過敏症という概念を提示しているのも彼に他なりません。

しかし、人間の適応力に関するレイの考えは非常に独特です。
解毒システムはその重要な一翼を担い、
それに関わる酵素群、ビタミン、微量ミネラルのバランスが重要だと主張します。
彼の説は身体のバランスを重視する全体論的医療(holistic therapy)と位置づけられ、
正統医学から外れることから医学界の賛同を得られていません。
「ストレス学説」が心理的要素を重視していったのに比べ、
人間の精神的関与を一考だにしない点に対しても懐疑的です。

まとめましょう。
レイを中心とする環境医学では、
化学物質過敏症は次のように考えられます。

環境から受ける負荷によって身体の内部機能のバランスが崩れ、
防御能力及び解毒能力の弱体化もしくは欠陥により、
身体は外部化学物質に対して過敏な状態になる。


ちなみに、化学物質ではなく電磁波に過敏に反応すれば、
それが【電磁波過敏症】となるわけです。

このような様々な過敏状態を補正するには、
身体のバランスを整えることが重視されます。
具体的にはビタミンやミネラルを摂取し、
解毒能力を高めるためにグルタチオンの摂取も推奨されます。
また体内に蓄積した有害物質の排出促進は身体に良いとされ、
運動やサウナの他、サプリメントの摂取による解毒(デトックス)のUP。
さらには有害物質の摂取を回避するために、
有機食物を食しオーガニック商品を使うことを心がけます。
家もできるだけ自然素材で建てるのが良い――

はぁ~?
これって、巷でブームになってる”健康法”のオンパレードじゃないですか?
環境医学というものは多分に健康ビジネスに直結しておりまして、
医学というより、むしろ代替医療に近いものなのです。
それを否定する積もりはないですが、
少なくとも、レイの主張する【化学物質過敏症】が全てと勘違いするのは間違い。
いまだに喜んで取り上げるのはマスコミくらいでしょう。

それどころか、医学界からはまともに相手にされていません。
家内もこんな”子供だまし”はとうの昔に卒業しました
理由は単純!
やっても自分には効果がないとわかったからです。
それなのに、
むしろ健康な方が”不健康”に怯えて飛びついてしまうようです。

しかし、日本でもようやくまともな議論がなされるようになってきました。
それを知ってか知らずか…… 知らないんでしょうね
いまだに「バケツから溢れ出す」なんて説明しているのを見かけたら、
その時点で 不勉強!の烙印を押して構わないでしょう。



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