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過敏症の前に横たわるブラック・ボックス

2009 - 09/14 [Mon] - 23:57

今日も爽やかな風が吹いていました。
涼しいおかげで、今年は早々と【冷房期間】が終了。
今日の「FPの家」の中は、室温25℃、湿度58%でした。(午後3時)
「FPの家」では基本的に窓を開けないで快適に過ごせますが、
中には窓を開けられない家と勘違いされている方もいます。
でも、それはとんでもない誤解です。
こういう気持ちの良い日には、
思い切り外の風を入れるのも良いかと思います。
そのために、窓がついているんですから。

それはそうと、かた苦しい話ばかりが続いて恐縮です。
それに、文章が長いですね(>_<)
時たま過去の記事をチェックすると、
日増しに1日の分量が多くなっているみたいです。
そういえば更新するのも最近は一苦労なんですが、
読んで下さる方も大変だと思います。
もう少し、ショートショートを心がけましょう。

さて。
本日紹介させていただきたいのは、
デンマークのEPA(環境保護庁)が2005年に出した報告書です。
化学物質過敏症(MCS)を巡ってそれこそ様々な仮説が出されていますが、
それらを客観的な立場から網羅的に整理しています。
一般の方にはちょっと取っ付きにくいかもしれませんが、
非常に良くまとめられている優れたレポートだと思います。
「バケツから水が溢れると発症する」なんて説明で、
何となくわかっちゃったような気になっている方はぜひご一読ください!
化学物質問題市民研究会のHPに日本語訳が掲載されています。
もし全部目を通すのがうんざりしちゃうなら、
冒頭の【概要と結論】だけでも読んでみてください。

この報告書はレビューであり、最終的な”答え”を出すのが目的ではありません。
【6.8 結論】にもこう書かれています。

MCSに関する原因と機序の明確な知識と科学的な文書はまだ存在しない。
記述された機序で除外されているものはない。


要するに、まだよくわからないということですが、
不特定多数の化学物質に敏感に反応する人がいることに対しては、
「明確な証拠がある」とその存在を認めています。
つまり、単なる詐病や思い込みと一蹴すべきではないということです。

ではどうして過敏になるのか?
まだ不明な点が多い中で、
ほとんどの研究者が次の2点には同意しているとしています。

1.機序は、ひとつあるいはそれ以上の生理学的
 及び心理学的要素の相互反応に基づいている。
2.MCSは主に、他の人々より外部環境刺激に
 容易に反応しやすい人々の中に見られる。


【心の問題】や【個人差】も無視できないというわけですが、
それでは身体のどこに問題が生じるのか?
それを端的に表明したのが次の一文です。

MCSの背後にある病気の機序は、特に病気に罹りやすい人々に関し、
脳中枢への生物学的及び心理的な両方の影響に関連している。


事件は脳で起こっている――やっぱりそう考えているのです。
報告書ではまるで”ブラック・ボックス”の状況に似ていると指摘した上で、
恐らく2段階のステップを踏みながら発症するのではないかと予測しています。
それを私なりに解釈するとこんな【図】になります……

MCS-7

最初は比較的高濃度の化学物質に、
頻繁に曝露する曝露段階があります。
これが【初期曝露】となりますが、
ほとんどの方は”永続的な影響”を受けません。
シックハウス症候群(SHS)はこのケースに含んで良いのではないでしょうか?

しかし限られた一部の方は、
不特定多数の極めて低い濃度の化学物質が”引き金”になり、
様々な不快症状が誘発されるようになります。
つまり第2段階の引き金段階に進むことで、
問題とされる過敏症状を呈することになるわけです。
その際立った特色から多くの関心がこの第2段階に向けられていますが、
ここに至る一連の過程が、
【曝露段階】から体系的に論じられることは少ないとも指摘しています。
これを裏返せば……

曝露段階と引き金段階をつなぐメカニズムにもっと注意が向けられるべき

そう問題提起していると理解できますが、
この指摘は大いに的を得ていると賛同できます。
それでは【曝露段階】から【引き金段階】の間で何が起こるのか?
これこそが問題の核心になりますが、
残念ながら「まだ不明」というしかないというのが現状。
患者さんが【引き金段階】で過敏症状を訴える頃には、
【曝露段階】の”現場”を完璧に再現することはできません。
そのため、2つの段階を明確に区別した疫学調査も皆無なのです。

しかし過敏症の発症を未然に防ぐには、
【引き金段階】より前の【曝露段階】の対策がより重要になります。
よく指摘されるように、
原因の一つは比較的高濃度の化学物質への曝露です。
そういった意味でシックハウスも問題ですが、
より高濃度となりやすい労働環境の空気汚染も軽視できません。
新車の空気汚染も侮れない。

ただし化学物質ばかりでなく、
報告書ではトラウマ性の心因性ショックや、
あるいは感染症によっても「起こり得る」と指摘しています。
この点に関して抵抗を感じる方は少なくないでしょうが、
第2段階に進んだ方は匂いに敏感になる、
あるいは異臭や悪臭と感じてしまうケースが多数報告されています。
そこで、メルクマニュアル医学百科(家庭版)を一読するのも参考になるでしょう。

そこでは嗅覚過敏になる一因として【精神的原因】をあげ、
一例として演技性人格障害が紹介されています。
これはヒステリー性人格障害とも呼ばれ、
圧倒的に女性に多い病気です。 男性の場合は反社会性人格障害が多くなります
そしてうつ病の場合にも嗅覚に異常を来たし、
無害な匂いを悪臭と感じることがあると指摘しています。

もちろん既存の精神疾患を、
わざわざ【化学物質過敏症】と言い換える必要はありません。
あえて新しい疾病範疇を設けるからには、
単に心理的要素だけでなく、
病気の発症に化学物質が強く関与している――
それが”必須条件”と理解すれば良いのではないでしょうか?

そうはいっても口でいうのは簡単ですが、
実際の境界は非常に曖昧なのは事実です。
しかも化学物質の関与を証明するのも容易でありません。

そこで思い出してください。
先週、実際の患者さんの例を紹介しましたが、
室内空気の測定からは、
”犯人”と思しき化学物質は浮かび上がってきませんでした。
懐疑的な方なら心理的問題と疑っておかしくありませんが、
だからといって化学物質の関与がないとも断定できない。
築後2年経過してからの測定では、
もはや新築直後の状態を予測しようがないでしょ?
なかなか理解が進まない一因も、
おそらくこうした点にあるのだと思います。

また長くなりそうなので、そろそろまとめましょう。
どうして様々な化学物質に過敏反応してしまうのか?
残念ながら、
発症に至る機序(メカニズム)は明らかになっていないというのが現状です。
まさに、”ブラック・ボックス”なのです。
耐性から逆耐性を生じる――これも私なりの推測に過ぎません。

【補足】
アメリカのミラーという研究者も「耐性」という考えで説明しようとしています。
それが毒性誘引耐性喪失症(TILT)という考えで、
第1段階から第2段階に至る一連の変化を連続的に説明する数少ない仮説の一つです。


しかし2つの段階を経て発症に至るらしいという指摘はとても重要です。
というのも自分がどの段階にいるかによって、
対応や予防策が異なってくるからに他なりません。

化学物質が原因となってすでに【引き金段階】の過敏症状を呈する方は、
それこそ細心の注意が必要です。
化学物質の関与がなくても匂いに敏感になることはありますから、
そういう場合にも同様の対策が必要となるでしょう。
原因は異なっても症状が同じなら、
同じ対策が求められるのは当然です。

しかし過敏症状を持っていない方が、
マイホームに【引き金段階】レベルの対策を施す必要はないでしょう。
気を付けるべきは発症を未然に防ぐ対策です。
大多数の方がこちらに属しているはずですから、
過剰に怯える必要はないと思います。
【曝露段階】のリスクを低減するには、
pointとなる化学物質をとにかく高濃度にしないことが何よりも重要です。

そうかといって気にし過ぎないのもいかがなものでしょう。
これではまるで、
保険をかけないで自動車を乗り回すようなものです。
確かに無事故で一生を終える方が多いのですが、
万が一のことを考えて保険に加入しているのでは?
化学物質過敏症も同じようなものだと思います。
大多数の方が発症には至りません。
しかし一度発症してしまったら、
苦しむのは自分自身でありご家族というのは交通事故と同じです。
最低限の”保険”くらいはかけておいた方が無難ではないでしょうか?

人間が生きている限りリスクはゼロになりませんが、
リスクを減らし回避することはできるのです。

まして、気になるマイナス材料があります。
高齢者も中堅も、そして若者まで人生の展望が見えない昨今、
将来への不安からストレスが増大しているように思えます。
これに化学物質が加われば脳へのダメージが増幅され、
他人には理解されない過敏症状に苦しむ方が増加していくかも。
もちろん、こんな心配が当らないと願っていますが……

そこで次回の予告。
【曝露段階】と【引き金段階】の対策を、
簡単に紹介することにします。

まだ長い、ですか?



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