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過敏症状を引き起こす「引き金物質」

2009 - 09/17 [Thu] - 23:53

ガブリエル・ボヌール・シャネル (1883-1971)
この名前を知らなくても、
あのシャネルの創設者といえば知らない方はいないでしょう。
一般にはココ・シャネルと呼ばれていますが、
【Coco】とは本名ではなく彼女の愛称になります。
そのシャネルが1921年に発表した香水が「シャネルNo.5」です。

これを調合したのはエルネスト・ボー(Ernest Beaux)という天才調香師。
彼はココ・シャネルから香水制作を依頼されると、
試作品の中から1番~5番と20~24番の10本の瓶を提出しました。
ココ・シャネルはこの中から5番の試作品を選び、
番号をそのまま商品名にしました。
それが超ヒット作となった「シャネルNo.5」だったのです。
翌1922年には「シャネルNo.22」も発売され、更なる名声を博しました。

ボーの香水は従来品とは違う画期的なものでした。
その特徴は合成香料を積極的に取り入れた点で、
これを【アルデハイド】といいます。
要はアルデヒドのことですが、
香料の世界でいう【アルデハイド】はあくまでも合成香料を意味していて、
化学的にはアルデヒドではない成分も含まれています。 ややこしい (=_=)
では「シャネルNo.5」にはどんな【アルデハイド】が使用されているのか……

嗅覚閾値-1

ヒトの嗅覚はアルデヒド類の匂いにとても敏感で、
少量の【アルデハイド】が非常に強烈なインパクトを与えます。
合成香料といっても自然界に存在するものも多く、
デカナールは柑橘系フルーツの香りのキー成分です。
ただし、使いすぎると逆効果ですよ!

さて。
初期曝露の段階で高濃度の化学物質に曝露された方の中には、
脳中枢に何らかの変化を生じてしまい、
次の引き金段階に進んでしまう方がいます。
これが化学物質過敏症(MCS)と考えられますが、
その場合には初期曝露の段階とは異なる対応策が必要になります

しかし有効な対策を考えるには、
どういう仕組みで過敏反応を起こしてしまうのか?
相手を知らずして”戦い”に勝つことはできません。
そこで対策を考える前に、
初期曝露とは違う過敏症状のメカニズムを考えてみましょう。

引き金段階の大きな特徴は、様々な化学物質に過敏反応することです。
しかし原因となる化学物質は曝露段階と異なり、
共通性のない不特定多数の化学物質によって不快な症状が誘発されます。
デンマークEPAの報告書では次のようにまとめられている……

図をクリックすると拡大します
MCS-9

初期曝露と違って症状を誘発する濃度も極めて低く、
患者さんのお宅を調べても高濃度の化学物質が検出されないのが普通です。
いったいどういう理由?
少し前に北海道衛生研究所が調査した患者さんのケースを紹介しましたが、
このお宅も、特に高濃度の化学物質に汚染されていませんでした。

ところで、この患者さんの事例は「第2報」です。
これ以外の患者さん宅でも調査が進められており、
実は「第3報」をかなり前に引用させていただいたことがあります。
その記事がこちらになります。

「第3報」で取り上げられているのは50代の女性で、
その主な症状は健常者には感じない匂いと書かれています。
ここから【嗅覚過敏】の可能性が指摘されていますが、
症状を誘発する引き金物質(Trigger)として次の4物質に注目しています。

  酢酸ボルニル2-エチルヘキサノールα-ピネン、β-ピネン

化学物質過敏症とは匂い過敏症なのではないか?
これはとても鋭いご指摘で、
家内を間近で見ながら私が行き着いたのも全く同じ結論です。
化学物質によって誘起される過剰な匂い感覚が、
脳を混乱させ疲労させると考えています。

もしこの”推理”が正しいなら、
極めて低い濃度でも反応し、
しかも不特定多数の化学物質に反応する――
こうした不可解な点を無理なく説明することができます。
そこで、【嗅覚閾値】というものを考えてみましょう。

嗅覚閾値-2

初期曝露の原因物質の代表はホルムアルデヒドやトルエンです。
ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は0.08ppmですが、
ある資料によればその嗅覚閾値は0.50ppmです。
指針値を下回っていれば、ほぼ”匂い”として感知されることはありません。
トルエンの場合も同様のことがいえます。
一般的に患者さんのお宅でも指針値を超えていないので、
嗅覚過敏を誘発しているとは考えられません。

ちなみに、ここでいう嗅覚閾値とは【検知閾値】です。
具体的に何の匂いか判別できないが、臭気を検出できる濃度――
絶対濃度ともいいますが、
化学物質によっては非常に低い濃度で検知することができます。

嗅覚閾値-3

木の香り成分であるα-ピネンの嗅覚閾値は0.018ppm――
ホルムアルデヒドやトルエンよりも低い濃度で検知します。
イソアミルアルコールは日本酒の香気成分として重要な化学物質で、
発酵によって生成されることから熟した果物にも含まれます。
その嗅覚閾値は0.0017ppm――
酪酸は発酵乳製品に多く含まれることから”酪酸”と呼ばれ、
銀杏の匂い成分としても有名です。
嗅覚閾値は0.00019ppm――
ちょっとでも濃度が高くなると、あの独特の悪臭になります。
この酪酸とエタノールが結合したエステル化合物が酪酸エチルです。
エステル化合物は果物に多く含まれており、
酪酸エチルもリンゴやパイナップルの香りのキー成分になります。
その嗅覚閾値はナンと0.000040ppm――

しかし、もっと凄い例もあります。
ゲオスミン(ジオスミン)はテルペノイドの一種で、
雨が降った後の土の匂いをイメージさせます。
名前はギリシア語で「大地の匂い」を意味し、
濃度が高くなると独特の下水道臭の原因になります。
ヒトはこの匂いにとても敏感で、
嗅覚閾値は脅威の0.0000065ppm――
単位を交換すれば、6.5ppt というとてつもない精度です。
【ppt】というのは「1兆分の1」ということで、
これはα-ピネンの3000倍の感度になります。

患者さんが匂いに敏感だといっても、
嗅覚閾値が下がっている事実は確認されていません。
特別に”感度”が向上しているというわけではなさそうで、
普通の人だってこんな低濃度のゲオスミンの匂いを察知できます。
ただし必要でない情報は無意識の内に”自動消去”してしまうので、
低濃度ならいちいち気にならないだけです。

ところが、過敏症になるとそれを無視できなくなる。
だから匂いに過敏反応を起こすのでしょう。
”感度”の問題ではなく、感覚情報の”処理”に支障を来たしているということ。
こうして過敏症状が誘発されます。
普通の人には気にならないし有害でもない、
しかし一部の方は極めて低い濃度の化学物質に過剰反応し、
原因となる化学物質の種類も膨大となってしまうわけです。

ちなみに。
極めて低い濃度で匂いをかぎ分ける目的の一つは、
恐らく摂食行動のためではないでしょうか?
熟した果物の香りは、”餌の匂い”に他なりません。
しかし普通の方には食欲をそそる匂いが、
過敏症患者さんには耐え難い悪臭になります。
残留農薬が騒がれますが、過敏症はそれ以前の問題です。
引き金段階になってしまったら、
もはや化学物質の有害性がどうのこうのという次元とは違う。
食べ物の匂い自体で気持ちが悪くなり、
口にしたときにもピリピリした刺激感に耐えられなくなります。
過敏になるのは嗅覚ばかりでなく、味覚もまた敏感になるからです。

イソアミルアルコールやゲオスミンは、
ともに微生物由来揮発性有機化合物(MVOC)の一つ指摘されています。
つまり、カビ臭です。
この匂いをかぎ分けることは食中毒を予防し、
マイコトキシン(カビ毒)から身を守ることにつながるはずです。
生き残るためには見逃せない匂い、
とても低い濃度で検知できる能力が備わっているのはそのせい?

興味深いことに、
北海道衛生研究所の中で原因物質として指摘された4物質の内、
2-エチルヘキサノールもカビから発生するMVOCに含まれます。
その嗅覚閾値は0.0093ppm――
酢酸ボルニルは確認できませんが、
これがエステル分解されたボルネオールならMVOCのリストに名前が見えます。
こうした点から推測すると、
カビの匂い物質も過敏症状を誘発する引き金物質の有力候補です。

ただカビ臭と聞いて、”カビ独特”のものと早合点しないでください。
植物の匂いにも酢酸ボルニルやボルネオールが含まれます。
同じ地球上の生物なんだから不思議ではないでしょ?
カビが出しても植物が出しても同じ化学物質ですから……

木の香りも過敏症状を誘発する

そう注意する方が良いと思います。
しかし、それ以上に破壊的なダメージを与えるのは香水(perfume)です。
そこで最初に紹介した「シャネルNo.5」を思い出してください。
【アルデハイド】として含まれるデカナールの嗅覚閾値は0.00040ppm――
これは10,000,000,000分の4という低濃度ですが、
匂いには濃度によって受けとる印象が変わるという特徴があります。
柑橘系の爽やかな香りを放つデカナールも、
濃度が高くなるとちょっとアクの強いドクダミの匂いになる。
もっと悪くいえばカメムシのオナラのような悪臭です。

香水に含まれる【アルデハイド】の濃度は1,000分の1程度のようですから、
こんなに”濃縮”されていたら匂いに敏感な方には堪りません。
頭を金槌で思い切り殴られたような衝撃――
過敏症の家内の言葉を借りれば、
それくらいの激しいダメージを受けるといいます。

最後に。
北海道衛生研究所の「第3報」の中では、
過敏症状を起こす原因物質の一つを酢酸ボルニルとにらんでいます。
モミ属やヒノキ属の針葉樹の精油に多く含有されますが、
”森のイメージ”を加える香料として、
入浴剤、石鹸、シャンプー、芳香剤などの多用されています。
男性用整髪剤でも好まれる香りの一つです。
患者さんの家では1階の居間から検出されていますが、
その発生源は特定できませんでした。

ただ【居間】ということで気になるのは、お仏壇の有無です。
現場を見ていない私に確かなことはいえませんが、
お線香が酢酸ボルニルの発生源という可能性が考えられます。
なにしろ”香水の仲間”ですから、
お香の匂いも非常に激しい過敏症状を引き起こすのです。

そうはいっても、ご先祖様を疎かにしたら申し訳がたたない。
供養を怠らない真面目な家に限って、
患者さんが日々苦しんでいるとしたら……
とても悲しい現実だと思うのです。

また長くなっちゃいました



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