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過敏症対策のウソとホント

2009 - 09/19 [Sat] - 21:53

いよいよ連休が始まりましたね。
でも昨日更新できなかったので、私は机に向かってます(T_T)

新築直後は室内の化学物質濃度が高くなっています。
これが原因となって体調がおかしくなるのが、
シックハウス症候群(SHS)です。
ただ時間の経過とともに濃度は低下するので、
多くの場合は症状も消失します。
しかし化学物質の濃度が低下したにもかかわらず
ごく一部の方は過敏症状を呈するようになる。
これが化学物質過敏症(MCS)と考えて良いでしょう。

では自分が化学物質過敏症なのかどうか?
それを確認する簡単な自己診断を以前紹介しました。
それがQEESIです。
このチェックで【ケミレス度】が「高」と判定された方は、
すでに過敏状態に進んでしまっている可能性があります。
そういう方は注意してください。

さて。
化学物質過敏症はこういわれています。
あらゆる化学物質に極めて低い濃度で反応してしまう――と。
これを表わすのが次のような【図】になります……

MCS-15

従来知られている中毒やアレルギーは、
1,000分の1(‰)~1,000,000分の1(ppm)の濃度で生じます。
しかし化学物質過敏症で問題となる濃度はさらに低い。
そのレベルは1,000,000,000分の1(ppb)~1,000,000,000,000分の1(ppt)。
こんな低濃度の様々な化学物質に過敏反応してしまうので、
頭に「多種類」を意味する【Multiple】を冠し、
正しくは多種化学物質過敏症(Multiple Chemical Sensitivity)といいます。
もしこれが事実なら、室内濃度の指針値を満たしていてもアウトです。

ただし実際のデータが揃ってくると、
こういう理解はどうも正しくないことがわかってきました。
そこで北海道衛生研究所の調査をもう一度思い出してください。
「第2報」「第3報」を見る限り、
過敏症状が誘発される家とそうでない家の濃度に、
顕著な差があるようには思えません。
むしろ「症状が出ない」という避難先の家の方が濃度が高いことさえあります。

また、こういうデータもあります。
これは札幌市にある北欧住宅研究所の調査結果ですが、
北里大学で化学物質過敏症と診断された方に協力していただいたところ、
次のような家では症状が全く現れなかったそうです。

図をクリックすると拡大します
MCS-16

化学物質濃度が指針値を若干超える家に滞在した場合には、
この方には過敏症状が現れたそうです。
しかし指針値を大幅に下回る家に滞在した場合には、
症状はいっさい出ませんでした。
その家の主な化学物質の濃度が【図】に紹介したものです。

ここからわかることは、
多種類のあらゆる化学物質にppbやppt レベルでも反応してしまう――
こうした理解はちょっと大袈裟だということ。
化学物質過敏症といっても一般の方と変わらず、
指針値以下に抑えさえすれば大丈夫だと考えられます。
では過敏反応が生じる家とそうでない家の違いは何なのか?
そこで注目されるのが匂い物質です。

化学物質過敏症(MCS)は未解明の病ですが、
匂いが引き金になって過敏症状が誘発されている可能性が指摘されています。
”匂い”と聞いて違和感を感じるかもしれませんが、
私達に匂いの感覚を引き起こすのは空気中を漂っている化学物質です。
噂のない所に煙は立たないように、
化学物質のない所なら絶対に匂いもしまません。
嗅覚とは目に見えない化学物質を察知する化学感覚の一つなのです。
そういう意味で、【化学物質過敏】と【匂い過敏】は矛盾しません。

しかし感覚が研ぎ澄まされるわけでなく、
むしろ嗅覚の麻痺・低下と考える方が正確です。
感覚情報のゲーティングが上手くいかず脳内に情報が溢れれば、
前頭前野には過大な負担がかかってしまいます。
これが原因となって、過敏症状を生じてしまうのでしょう。
発症の引き金となるのは匂い物質――です。

そう考えれば、極めて低い濃度で発症するというのも理解できます。
化学物質によっては確かに非常に低い濃度で匂いを検出しますから、
「ppbやppt レベルで反応してしまう」こともあり得るでしょう。
ただし、「多種類のあらゆる化学物質」というわけではありません。
一部の匂い物質が過敏症状を引き起こすのであり、
その一例として北海道衛生研究所の調査で浮かび上がってきたのが、
酢酸ボルニル、2-ヘキサノール、α-ピネン、β-ピネンだったわけです。

もちろん、これ以外の”犯人”も考えられます。
たとえばトリメチルアミンなんてとっても怪しそう。
肉や魚の腐敗臭の原因物質として有名で、
悪臭物質の代表といっても良いでしょう。
意外にもバラ,キク等の花の香りにも含まれ、
穀物のカビからも出ているそうです。
ヒトはこの臭いにとても敏感で、
その嗅覚閾値は0.000032ppm、まさにppt レベルで検出します。
ヒトの体臭にも含まれており、
特にトリメチルアミン濃度が高くなる病気を【魚臭症候群】といいます。

つまり、整理するとこういうことです。
初期曝露の段階でシックハウス症状を起こす原因物質と、
引き金段階で過敏症状を誘発している原因物質は違う――
化学物物質過敏症を匂い過敏症と理解すれば、
問題となるのは毒性や刺激性(アレルギー)ではなく、
本来なら何の”毒”もない【匂い】と考えるべきです。

そうなると、従来いわれてきたことが「?」となってきます。
シックハウス症候群なら許せるのですが、
化学物質過敏症にも自然素材や無垢材が良いというのはいかがなものか。
無垢材の匂いはとても強く、
しかもその大半がα-ピネンです。

普通の方なら「家の中で森林浴ができる」と喜んでも、
過敏状態の方には”拷問部屋”となりかねません。
現に私の家内も過敏症ですが、木の匂いを極度に嫌います。
しかも厄介なことに、いつまで経っても濃度が下がらない。
長い間にわたって苦痛を強いる結果となりかねません。
そこで北海道立林産試験場の調査結果を見てみましょう。

MCS-14

木材を内装に多用して集成材の梁を現しで使用している家の測定結果で、
完成直後と13ヵ月後の室内濃度を比較したものです。
新築直後の濃度はやっぱり高めですが、
1年後には多くの化学物質濃度が大幅に低下しています。

メチルエチルケトン、トルエン、ノナン、ウンデカンは、
恐らく何らかの有機溶剤の成分だと思われます。
例えば、塗装、接着剤、ワックスなど。
リモネンは木や柑橘系の精油成分として有名ですが、
自然系塗料などの有機溶剤として工業的に利用されることもあります。
こうした使用例では完成直後から表面蒸散していくので、
比較的早い時間で室内濃度が下がります。
いったん吐き尽くされてしまえばそれで終わりですから、
以後、室内の空気を汚すことはありません。
そこで最初の数ヶ月が要注意――となるわけです。

ところがこれとは反対に、1年後にも濃度の下がっていないものがある。
例えばホルムアルデヒドやアセトアルデヒド。
1年経ってもまだ濃度が高くありませんか?
アセトアルデヒドは指針値(48μg/㎥)を超えています。

もっと酷いのはα-ピネンで、
【a室】に至ってはほとんど濃度が低下していません。
1年経過した時点でも約300μg/㎥。
有機溶剤と比べて濃度低下のスピードが遅いのは、
木そのものから化学物質が発生するからです。
昨日も紹介したようにその検知閾値は100μg/㎥ですから、
まだ木の香りがプンプンする状態です。
この中に匂いに敏感な方が暮らすのはとても辛いでしょう。

それにもかかわらず、
「無垢材が良い」と紹介しているサイトが目立ちます。
無作為にネット検索してみたらこんな感じ……

【化学物質過敏症への対策】

● 化学物質をできるだけ含まない材料を選択する
  自然素材、無垢材の使用
  合板の使用は避ける
  内装材に塩ビクロスの使用は避ける
  有機溶剤を使用した接着剤や塗料の使用は避ける 
● 室内換気回数を増やす

ねっ? 
どこまで調べたのかわかりませんが、
平気で「自然素材・無垢材の使用」と書いています。
ただし、2点目として上げられている「室内換気数を増やす」はその通り。

結局、どんな建材を使っても過敏症状を抑えることはできません
原因が有害物質ではなく匂い物質だからです。
過敏症になると畳だって×
農薬が使われているからだと指摘する方もいますが、
過敏症の方は畳の匂いそのものに反応していると思われます。
畳に使用されているワラやイグサだって植物ですから、
木と同じような匂い成分を出しているわけです。
そのため、自然素材の方がかえって要注意とさえいって良いくらい。

家の中を完全な無臭空間にすることは到底不可能です。
それなら過敏症状を和らげるためにはどうしたら良いのかというと……

家の中の化学物質濃度を下げる奥の手は機械換気

やっぱり換気が重要ということ。
つまり、家の中の匂いを速やかに抜いてやるわけです。
匂いは恒常的に発生し続けますから、
換気も24時間換気でなければ対応できません。
そこで換気といっても窓開け換気ではなく、機械換気が有効です。
その効果の一端を、再び北欧住宅研究所の資料で紹介しましょう。

MCS-17

ここではホルムアルデヒドの濃度を比較しています。
機械換気を停止した状態では、
どの家でも指針値を大幅に超えています。
次に0.23~0.31回/時の換気をすると、
ホルムアルデヒドの濃度が低下します。
しかし、まだ指針値を超えている。
そこで換気量を0.48~0.62回/時に増やしてやると、
全ての家で指針値以下に濃度が下がりました。

『建築基準法』で必要換気量とされているのは0.5回/時です。
ということは、
定められた通りの機械換気がきっちり行われていれば
室内の化学物質濃度は2分の1以下に低下するということでしょ?
機械換気の効果は侮れません。
もちろん匂い物質も外に排出してくれますから、
匂いを抑えることになるのです。

自然素材や無垢材を使うのはかえって逆効果。
下手な消臭剤を使うのも考えもの。
オゾン脱臭器にいたっては健康を害する危険がある。
結局、化学物質過敏症の方には、
換気という物理的方法で匂いを抜くのがbestな対策なのです。



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