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有機リン農薬による遅発性神経毒性

2009 - 09/30 [Wed] - 23:56

今日で9月もお終いです。
つい昨日に”冷房”をテーマにお話ししていたような気がするのですが……
ホンと季節の移り変わりは早いものです。

さて、本題に入りましょう。
葉酸やビタミンB12が不足すると、
メチオニン回路がクルクル回転しなくなります。
ただし葉酸やビタミンB12を十分摂取していても、
メチオニン回路を中心とする代謝系が阻害される可能性があります。
例えば、有機リン農薬なんかが怪しい。

シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因物質として、
有機リン農薬は古くから槍玉に挙げられてきた化学物質です。
今日まで連綿と続く反農薬運動の影響で、
中には「諸悪の根源は有機リン農薬」とまで断じる声も耳にします。

個人的には、それは極端すぎると感じています。
防蟻剤としての使用が自粛されるようになった今日では、
室内空気が有機リン農薬に汚染されるケースは稀でしょう。
実際の室内空気調査でも、
高濃度の有機リン農薬が検出された事例は目にしたことがありません。
屋外に散布される有機リン農薬の問題もありますが、
室内のような密閉空間で使用するのとでは次元が違い過ぎます。

ただし、だからといって”安全”というわけではない。
危険な化学物質であることは明らかです。

有機リン農薬の毒性として有名なのは、
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の阻害作用でしょう。
神経伝達物質の一つであるアセチルコリンは、
AChE の働きでコリンと酢酸に分解されて不活性化します。
有機リン農薬はこの酵素の働きを阻害する神経毒で、
様々な急性中毒が引き起こされます。

しかし有機リン農薬には、これとは違う毒性も存在します。
急性中毒から1~3週間程度遅れ、
四肢の脱力、運動失調、麻痺などの症状が現れるのが特徴です。
遅発性神経毒性(OPIDN)といいますが、
【Organophosphorus-induced Delayed Neurotoxicity】を正しく訳せば、
有機リン誘発性遅発性神経毒性――というような具合でしょう。

毒性の発現に大きな時間差があるため、
遅発性神経毒性は AChE とは別の阻害作用と考えられてきました。
その候補として想定されてきたのが、Neuropathy Target Esterase です。
日本では「神経障害標的エステラーゼ」とも呼ばれますが、
むしろ神経毒エステラーゼ(NTE)の呼称の方が一般的です。
ちなみに【エステラーゼ】とは、
エステル結合を加水分解する酵素のことです。

この NTE の”正体”は、
現在ではリゾホスホリパーゼ(lysoPLA)であると考えられています。
【リパーゼ】とは脂質のエステル結合を加水分解する酵素の総称で、
広い意味では【エステラーゼ】に含まれます。
その中でリゾホスホリパーゼという場合には、
1ヶだけ脂肪酸がエステル結合したモノアシルグリセロリン脂質から、
脂肪酸を加水分解して切り離す酵素ということです。

図をクリックすると拡大します
葉酸-10

レシチン(ホスファチジルコリン)には2ヶの脂肪酸が結合しています。
これをジアシルグリセロリン脂質といい、
ここから脂肪酸が1ヶ切り離されるとモノアシルグリセロリン脂質になります。
レシチンの場合には、リゾレシチンに変わるというわけ。
このリゾレシチンから脂肪酸を”もぎ取る”酵素がリゾホスホリパーゼです。

そうなると遅発性神経毒性にもメチオニン回路が関わり、
リン脂質代謝が阻害されるということになります。
するとどうなるか?
神経細胞の空胞化と凝集、さらに神経細胞の脱落を誘発し、
昨日も紹介したように神経変性を生じることになります。

有機リン農薬は NTE を阻害するといわれていますが、
NTE を阻害するのはごく一部の有機リン農薬だけという指摘もあります。
しかし有機リン農薬が AChE を阻害するのは確実ですから、
連鎖的に NTE の酵素活性も低下するという可能性もあるのではないでしょうか?
脳は様々な歯車で動く”マシーン”ですから、
1つの歯車がおかしくなれば、当然”マシーン”全体がおかしくなるのです。

その意味で、私はカルニチンにも注目しています。
カルニチンはアミノ酸の一つリシンから生合成される化学物質ですが、
その構造にご注目ください!
コリンと同じように窒素(N)にメチル基(-CH3)が3ヶ結合しているでしょ?
カルニチンもメチル化によって誕生するということです。
しかも、アセチルコリンと密接な繋がりがあるらしい。

脳内には大量のアセチルカルニチンが存在します。
筋肉など脂肪酸をエネルギー源にする組織では、
カルニチンは脂肪酸をミトコンドリア内に輸送する”運び屋”として活躍します。
そこでダイエットのサプリメントとして注目されていますが、
脳は脂肪酸をエネルギーとして利用しません。
これとは違う働きをしているはずです。
しかも脳内の分布にも特色があり、
アセチルカルニチンは前頭前野に集中的に取り込まれるそうです。

そこで注目されるのが、安藤進先生(東京都老人総合研究所)らの研究です。
実験によれば、3ヶ月間アセチルカルニチンを投与したラットは、
投与されなかったラットよりもアセチルコリンの合成量が増加しました。
この結果から、
アセチルカルニチンには老人性痴呆を遅らせる効果があると結論しています。
つまり痴呆を治すほどの効果はないけれど、
ボケ防止の効果があるということです。
50歳を過ぎたら意識的に摂取した方がいいそうですよ!

葉酸-11

そればかりではありません。
アセチルカルニチンのアセチル基(-OCCH3)部分は、
グルタミン酸γーアミノ酪酸(GABA)に転換されることも確認されています。
2つとも脳内で用いられる神経伝達物質の仲間ですが、
アセチルCoAを原料にしてクエン酸回路で合成されると考えられています。
神経細胞のクエン酸回路には特殊な【GABA側路】が連動していて、
ここでグルタミン酸からγーアミノ酪酸が作られるそうです。

こうした点から考えると、
カルニチンは脳内のアセチル基を貯蔵し、
これを必要に応じて供給する役割を果たしているように思えます。
いわばアセチル基の”ダム”というわけですが、
これは”無駄なダム”ではありません。
神経系の円滑な働きを支える”必要不可欠なダム”なのです。

興味深いことに慢性疲労症候群(CFS)では、
脳内のアセチルカルニチン濃度が低くなっていることが確認されています。
慢性疲労症候群とは”単なる慢性疲労”とは大違いで、
強度の疲労感に見舞われる病です。
何とか動ける程度からほとんど寝たきりの状態まで様々ですが、
しばしば全身疼痛を伴うことも特徴の一つです。

すでに指摘したように、アセチルカルニチンが分布するのは前頭前野です。
ここは疲労や痛みの知覚に関与する部位であることから、
感覚ゲーティング機能が低下していると推測できます。
そうなると匂い過敏を特徴とする化学物質過敏症と似ていますが、
実際、化学物質過敏症と慢性疲労症候群は重複することが指摘されている。
100人の化学物質過敏症を調べた結果では、
実に88%もの方が慢性疲労症候群の基準を満たしていたといいます。

これはアメリカでの報告ですが、
激しい全身疼痛を主訴とする線維筋痛症の基準を満たす方も49%いました。
面白いことに、痛みを感じる傾向は女性でより強いように感じられます。
男性は主に疲労感に悩まされますが、
女性の場合には疲労感だけでなく、
疲労と疼痛のダブルパンチを見舞われてしまうようです。

まとめましょう。
有機リン農薬が AChE NTE を阻害するといっても、
そこだけしか考えないとしたら大切な問題を見逃すのではないでしょうか?
化学物質が脳に及ぼす影響を考える上で重要なことは、
脳の局所的な機能障害はシステム全体の機能障害につながる――
この点こそが重要なのだと思います。
つまり、歯車が狂ってしまうのです。

  →→→メチル化がこければアセチルコリンがこける
  →→→アセチルコリンがこければグルタミン酸やγ-アミノ酪酸もこける
  →→→そうなればアセチルカルニチンもこけて、み~んなこける

どこに器質的異常があるというわけでなく、
脳の機能が全体的にアンバランスになってしまう。
それが化学物質過敏症であり、
いくつかある”入り口の一つ”がシックハウス症候群――ということになります。

ところで。
神経伝達物質といえば、忘れてはならないのがモノアミン。
葉酸回路はモノアミン合成に密接に関わっていましたが、
メチオニン回路もまた、モノアミン代謝には欠かせません。

そこで明日は、モノアミンのメチル化を紹介します。



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