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タンパク質は化学物質をキャッチする

2009 - 10/09 [Fri] - 05:48

こんばんわ、って今は真夜中です。
みなさんはぐっすりお休みのことでしょう。
それなのに、私はパソコンと遊んでます。
なんで?
ついつい面白くって、いろいろ調べてたらこの時間……
若い方に負けないほど好奇心は旺盛なんですが、
いかんせん、体力はありません(T_T)
今日はしんどい一日になりそうです。

さて、タンパク質の話をもう少し。
タンパク質はとても重要です。
その情報を守り伝えていくために、
生命は”設計図”をDNAに厳重に保管してきました。
人間の塩基配列を解明して明らかになったのは、
大方の期待に反して(?)、
人間とチンパンジーのゲノムの違いがたった数%だということ。
この差がとても大きいわけですが、
逆に考えれば、
突然変異なんかそうそう簡単に起こらないのでしょう。
DNAはかくも厳重に”保管”されているのです。

生命はタンパク質の”設計図”を大切に守ってきました。
それだけ生命活動の根幹に関わり、
重要な機能を果たしているということでしょう。
それではタンパク質にはどんなものがあるのか?
思いついたものを書き出していくと……

  筋肉、血液(ヘモグロビン)、抗体(グロブリン)、酵素、コラーゲン…… 

どれも生きていく上で欠かせないものばかりです。
どうしてこんなに多彩な機能を果たせるのでしょうか?
そこで、次の【図】をご覧ください。

タンパク質-1

タンパク質は、α-アミノ酸がペプチド結合で繋がった重合体です。
連結するためにはα位のアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が重要で、
1本に繋がったその”鎖”を主鎖といいます。
しかし、機能という面ではその他の側鎖が意味を持ってきます。

タンパク質を合成するαーアミノ酸はたった20種類ですが、
優秀な選りすぐりが選抜されているといって良いでしょう。
【図】を例にすると、
セリンとチロシンには水酸基(-OH)がくっ付いています。
これを使って他の化合物と水素結合をすることができる。
アラニンとロイシンの末端はメチル基(-CH3)です。
こちらは”油”なので、
水のような極性溶媒中ではお互いに凝集します。
これを疎水結合といいます。
このように、タンパク質の側鎖には多彩な”職人”が揃っているのです。

その他にもあります。
システインの作るジスルフィド結合は最も強い共有結合です。
”尻尾”にもアミノ基やカルボキシル基を持つα-アミノ酸もおり、
これらはイオン化してイオン結合をすることができます。
α-アミノ酸はたった20種類――
しかし、豊富なパーツを持つ精鋭部隊だっていうことがわかるでしょうか?
えっ、グリシンは何をするのか?
グリシンは最も単純なαーアミノ酸ですが、小粒でもピリリと辛い!
構造が単純だからこそ、
ポリペプチド鎖が鋭角に曲がる【ターン】と呼ばれる場所に使われるのです。

こうした豊富なパーツを武器に、
タンパク質は神経活動にも寄与しています。
それを次に紹介しましょう。

タンパク質-2

このタンパク質はβ-シート構造を持っていません。
その代わりに、α-へリックス構造が7つあります。
このタンパク質は細胞膜に埋め込まれている膜タンパク質ですが、
α-へリックス構造の部分が細胞膜を貫通しています。
そこでこの部分を膜貫通ドメイン(transmembrane domain)といいます。
ドメイン(domain)とは、
タンパク質の中で立体的にまとまったユニットを指す専門用語です。

では、このタンパク質の正体は何なのか?
実は、これがドーパミン受容体です。
ドーパミン受容体にはわかっているだけで5種類ありますが、
【図】はその中のD2受容体になります。
神経伝達物質をキャッチする受容体(receptor)もタンパク質であり、
タンパク質は神経活動を支えるインフラの要といえるのです。

ドーパミン受容体のような受容体は、細胞膜を7回貫通しているのが特徴。
そこで7回膜貫通型受容体(seven-transmembrane receptor)といいますが、
このタイプの受容体は全タンパク質中で最大の”派閥”を形成しています。
ただしグラフィックだとちょっとわかりづらいでしょうから、
同じドーパミンD2受容体をイラストでも紹介しましょう。

図をクリックすると拡大します
タンパク質-3

注意していただきたいのは、グラフィックとは上下が反対になっています。
イラストでは上が細胞の外、下が細胞の中です。
D2受容体の7本の【TM】の中でも、
特に重要なのは【TM3】と【TM5】になります。
ドーパミン側鎖のアミノ基(-NH2)は、【TM3】の と結合します。
アミノ酸の1文字表記で、 とはアスパラギン酸(Asp)のこと。
もうわかりましたね?
アスパラギン酸のカルボキシル基(-COOH)とイオン結合をしています。

もっと重要なのは【TM5】の S になります。
S はセリン(Ser)のことですから、
最初の【図】にもあったように水酸基(-OH)を持っています。
この水酸基とドーパミンの水酸基が水素結合でドッキング――
こうしてドーパミンは”三方固め”でがっちり抱え込まれることとなり、
めでたく神経伝達が行われることと相成ります。
そのおかげで、人間は気力が充実しやる気も沸いてくる!

ちなみに。
セリンは酵素の活性中心として利用されていることも多く、
こうした一群の酵素をセリン酵素と呼んでいます。

【後補】
全ての受容体が7回膜貫通型というわけではありません。
例えばグルタミン酸が結合するNMDA受容体やAMPA受容体は、
イオンチャネル型という別タイプです。
γ-アミノ酪酸の結合するGABA-A受容体も同じ。
アセチルコリンの結合するニコチン性AC h受容体はイオンチャネル型ですが、
同じAC h受容体でもムスカリン性AC h受容体は7回膜貫通型。
一口に受容体といっても、
機能によって様々なタイプを使い分けています。


7回膜貫通受容体は特徴的な遺伝子配列を持つことから、
遺伝子解析によって新規の受容体の存在を推測することが容易です。
ところが何がくっ付くかを遺伝子で知ることはできないので、
リガンドが明らかにされていない受容体が出てきちゃうのは仕方ない。
これをオーファン受容体といいます。
【orphan】とは「孤児」の意味。
まさに、”親”とはぐれた”孤児”がわんさかいるのです。
ということは、
脳ももっとたくさんの化学物質でコントロールされている可能性が……大きい

ところで。
次に紹介する【図】も7回膜貫通型受容体のイラストです。
重要なのはやっぱり【TM3】と【TM5】、そして【TM6】で、
ここにリガンドの結合サイトがあります。
しかし結合する化学物質は、体内の化学物質ではありません。
体外の化学物質がここに結合します。

そうです、これは匂い受容体(olfactory receptor)です。
体内の化学物質と結合するドーパミン受容体も、
体外の化学物質と結合する匂い受容体も、
基本構造は全く同じ7回膜貫通型受容体になります。
意外ですか?
でも、考えてみれば当たり前でしょ?
だって、どちらも化学物質をキャッチするのがお仕事なんです。

タンパク質-4

最初にお断りしておきます。
この【図】は東原和成先生(東京大学大学院)の論文より、
転載、加筆させていただきました。
東原先生の研究は刺激的で、とても参考になります。

 「匂い認識の分子基盤:嗅覚受容体の薬理学的研究」
    (『日薬理誌』Vol.124 No.4 2004年)

匂い受容体の種類はとても膨大で、
哺乳類では1000種類、嗅覚の退化した人間でも凡そ350種類が知られています。
ところが、どのような匂い物質(odorant)が結合するのか、
残念ながら、わかっているのは1%に満たないそうです。
匂い受容体は、そのほとんどが”孤児”ということになります。

その中から東原先生らは、
オイゲノールに応答するマウス匂い受容体(mOR-EG)を特定しました。
オイゲノールはクローブ(丁子)などのスパイスの香り物質で、
麻酔作用があるため歯科医ではクローブ油を使用しています。
そこで【歯医者さんの匂い】といえばわかる……かな。

それでは、オイゲノールはどのように捕捉されるのでしょうか?
結合サイトを拡大してみましょう。
こちらも東原先生の論文から転載したものに加筆させていただきました。

タンパク質-5

【TM3】のセリン(Ser)がオイゲノールと水素結合をしています。
この他【TM5】のアスパラギン(Asn)も重要で、
こちらもオイゲノールの水酸基との結合に関わっている可能性があります。
ただし比較的強い結合はこれだけで、
あとは疎水性アミノ酸同士の緩やかな疎水結合になります。

そのせいか、匂い受容体の選択幅はとても広い。
結構いろんな匂い物質がくっ付くのです。
mOR-EGの場合にも、
22種類の匂い物質に応答することが確認されています。
中でもバニリンや2-メトキシ-4-エチルフェノールには、
オイゲノールと大差ない応答を示しています。
アリル基でもアルデヒド基でもエチル基でもなんでも来い!――というわけで、
匂い受容体はとても寛容性が高いとのこと。
もちろん、天然物と自然物で区別なんかしません。

ただ結合できる絶対条件は、
ベンゼン環に直接くっ付いた酸素原子を持っていることです。
これは【TM3】のセリン(Ser)の存在を考えれば納得できます。
一方、疎水結合である側鎖の炭素鎖には柔軟に対応しますが、
長さによってくっ付く強さ(親和力)は大きく変動するとのこと。
ちなみに、バニリンは知ってますよね?
有名なバニラの主要香気成分です。

ところが、なんでもかんでもOKかといえば、決してそんなことはない。
カルボキシル基やアミノ基との違いはしっかり見分けるし、
二重結合の位置が違う異性体でもピクリとも反応しません。
グアイアコールは木クレオソートの主成分で、
あるいは『正露丸』お馴染みの”匂い”でしょう。
この場合もベンゼン環に側鎖が付いていないので×
匂い受容体はしっかり立体構造をチェックしているのです。

外界から隔絶された体内の化学物質と結合する受容体は、
ほぼ1体1の対応をすることで厳密に神経をコントロールします。
ドーパミン受容体に結合できるのは基本的にドーパミンだけ――
しかし、匂い受容体は環境中の膨大な化学物質を探索するのが仕事です。
ある程度融通の利く方が理にかなっているのでしょう。
そうはいっても必要な情報はしっかり見分けないといけないので、
”ザル”のように締まりのない受容体では役に立たない――
適材適所の絶妙な匙加減で、
それぞれの受容体の機能がチューニングされているといって良いでしょう。

まさに神業、これこそ生命の神秘。
そう感じませんか?
こうした受容体タンパク質の臨機応変な活躍のおかげで、
私達は自分の身体を意のままに操ることができるのです。
ホンと、タンパク質に感謝、感謝

ひえ~~~、結局徹夜になりました(T_T) 



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