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ドーパミンは免疫を制御する

2009 - 10/30 [Fri] - 23:57

こんにちわ。
みなさんは【免疫】に関心がありますか?
シックハウスが問題にされ始めた頃、
ちょうど時を同じくして、
花粉症アトピー性皮膚炎(AD)も騒がれるようになりました。

そのせいでしょうか?
シックハウス症候群や化学物質過敏症を、
いまだに免疫系の病気と誤解している方が少なくないようです。
ちなみに「化学物質過敏症-アレルギー」で検索したところ、
ある建築関係のサイトには、
こんな風に書かれていました。

花粉症は、車の排気ガス汚染が進んだ地域でより多く発症すると報告されています。昨年までは異常がなかったのに、ある年を境に突然発症します。化学物質過敏症も一種のアレルギー性疾患でこれと同じようなパターンで発症するといわれています。

ここにはハッキリと、「アレルギー性疾患」と書かれています。
さらにまた別の健康情報サイトには、
とても詳細な【図】が紹介されております。

図をクリックすると拡大します
免疫-4

【図】の左下、赤い矢印を付けておいた部分にご注目ください。
「Th1優位で改善、Th2優位で増悪」とくくられた病態の中に、
アレルギーと並んで化学物質過敏症や慢性疲労症候群が記入されています。
何もご存じない方がこういう情報に接したら、
「化学物質過敏症はアレルギーみたいなもの」って錯覚しちゃうでしょう。

最初にはっきりとお断りしておきますが、
シックハウス症候群や化学物質過敏症は免疫系の病気ではありません。
神経系の異状に起因する病気です。
それもこれまで注目されてきた自律神経系ではなく、
中枢神経系に関心が集まってきています。
もっと具体的にいえば……

シックハウス症候群や化学物質過敏症は脳の病気

室内空気中の化学物質は、脳の働きを乱し機能低下を誘発します。
発症原因物質の一つとしてトルエンに注目してきた私も、
脳の神経伝達物質であるドーパミンとの関係に”的”を絞ってきました。

免疫のことも気にはなりましたが、
脳のメカニズムを理解するのに手一杯で、
とてもそちらに手を回す余裕はありません(>_<)
ただし、免疫系とのクロストークには注目していました。
そもそも免疫系が単独で機能しているはずはなく、
自律神経-内分泌-免疫の各システムが互いに連絡を取りあいながら、
協調的に機能していると考えるのが自然です。
この生体システムを統合するのが脳に他なりませんから、
脳の異常が免疫系にも波及するのは間違いない!
実際、化学物質過敏症患者さんの多くにアレルギー歴があると聞きます。

ところが。
事実は小説よりも奇なり――
脳と免疫システムのつながりは、
私が想像していた以上に緊密なのかもしれません。
というわけで、今日の話しの始まりです。

獲得免疫の最前線で活躍するのが樹状細胞(dendritic cell)です。
体外から侵入した病原体に感染して自然免疫が始まると、
真っ先に現場に駆けつけます。
そこで排除すべき異物(抗原)を確認すると、
近くの基地に戻って仲間に状況を報告するのが任務です。

もちろん「基地」というのは喩えで、
実際にはリンパ節です。
ここにはたくさんのリンパ球が待機しています。
その中のひとつがT細胞(T cell)というもの。
骨髄で誕生したT細胞は胸腺(thymus)で成長するため、
【thymus】の頭文字をとって「T細胞」と呼ばれています。

一口にT細胞といっても様々なタイプがあって、
それぞれ機能を分担しています。
ウィルスに感染された細胞やがん細胞を破壊するのは、
”殺し屋”の異名をとるキラーT細胞。
ただし最近では、細胞障害性T細胞(CTL)と呼ぶことが多くなってきたようです。
また、ヘルパーT細胞(helper T cell)というものもあり、
いちいち「ヘルパーT」と書く手間を省くため、略して【Th】と表記されます。
こちらは戦闘には参加しませんが、
考えようによっては獲得免疫の要といっても良い重要な働きをします。

そこで、先ほどの続き。
基地に帰還した樹状細胞は、【Th】に敵の情報を伝えます。
実際には、敵の切れ端であるペプチドの断片を見せるわけですが、
これを抗原提示といいます。

抗原提示
このリボン図は、抗原提示の様子を表わしたものです。
下側の【MHC】というのが樹状細胞の膜タンパク質で、
先端のα-へリックスとβ-シートでできた溝に緑色で示されているのが、
【antigen peptide】、すなわち「抗原ペプチド」になります。
そのアミノ酸配列を上側の【TCR】に教えるのが抗原提示です。
【TCR】はT細胞の膜タンパク質でT細胞抗原受容体といい、
これを使ってT細胞は敵を見分ける情報を入手します。

基地で待機中の”うぶ”な【Th】をナイープヘルパーT細胞(ナイーブTh)といい、
略して Th0 と表記されます。
樹状細胞はこの Th0 に抗原提示を行い、
Th0 は闘うべき相手に合わせて変身するわけです。
この内、Th1 は細胞性障害性T細胞などを動員し、
主にウィルスに感染した細胞やがん細胞を破壊します。
これを細胞性免疫といいます。

これに対して、敵が寄生虫や花粉のような場合には、
Th0 Th2 へと分化します。
こちらはB細胞(B cell)を刺激して抗体(IgEなど)を産生することから、
Ⅰ型アレルギーの発症に関与することでも有名です。
抗体が血漿中に溶解していることから、
Th2 を中心とする免疫反応は液性免疫と呼ばれています。
ちなみに、
B細胞の名前は骨髄(Bone Marrow)の頭文字をとっています。

Th】は”免疫の指揮官”のような存在。
そのため Th1 になるか Th2 になるかで、
その後に生じる免疫応答が大きく変わってきます。
もちろんここまでの話し程度は、
説明されるまでもなくご存知の方も多いことでしょう。
ただし、Th1 or Th2 の変身は、
いったいどのように制御されているのでしょうか?
こうした疑問に答える画期的な証拠が、
1995年、アメリカの A.Kupfer によって発表されました。

樹状細胞が抗原提示を行う際には、
その結合部位に様々な膜タンパク質が集まってきます。
中には情報伝達に関わるものもあり、
細胞同士の”ヒソヒソ話”によって、
Th1 になるか Th2 になるかも決定されているのです。
こうしたコミュニケーションは神経系を彷彿とさせます。
神経系では神経細胞(ニューロン)の接合部にシナプスが形成され、
情報が次々と伝達されて脳や筋肉の働きが調節される。
もちろん、細胞同士の”会話”に使用されるのは言葉ではありません。
化学物質を用いた化学伝達が行われるわけです。

免疫系でもこれと同じような仕組みを利用しているようで、
A.Kupfer が発表したのは、まさにその決定瞬間の画像でした。
こうした免疫細胞が情報伝達を行う場を、
【神経シナプス】にちなんで【免疫シナプス】と呼んでいます。

それでは【免疫シナプス】において、
Th1 Th2 の分化はどのように制御されているのでしょう?
Th0 Th1 に変える偏向因子は、
樹状細胞が産生・分泌するIL-12というもの。
【IL】はインターロイキン(Interleukin)の略号で、
一群の白血球から分泌されるタンパク質の総称です。
ここでも、IL-12のリボン図を紹介しておきます。
α-へリックス構造の多いインターフェロン(IFN)に比べて、
こちらにはβ-シート構造が多いのが特徴です。

免疫-5

細胞から分泌されるタンパク質という点では、IL IFN も同じ仲間。
ただし IL の場合には、分泌する細胞が白血球という限定が付くわけです。
ちなみに、シグナル伝達のために細胞が分泌するタンパク質を、
全てひっくるめてサイトカイン (cytokine)といいます。

頭が混乱しちゃいそうですか?
それでは、こう考えてみて下さい。
神経系でいえば、サイトカインは「神経伝達物質」という呼び方に相当します。
その中で、モノアミン神経系が分泌するのがモノアミン。
モノアミンの一つがドーパミンです。
それと同じ事で、
サイトカインの中でも白血球が分泌するのがインターロイキン。
その一つがIL-12となります。
発見された順に番号が付けられており、
現在は№.18のIL-18まで確認されています
最新データを調べたところ、
現在では30種類以上の IL が確認されているようです。
訂正いたします。 ゴメンナサイ


このように Th1 偏向因子は確定的ですが、
問題はもうひとつの Th2 偏向因子です。
これまで考えられてきたのは、プロスタグランジン(PG)という化学物質。
これは不飽和脂肪酸のアラキドン酸を原料にして生合成されるため、
その原料となるリノール酸を過剰摂取するとアレルギーになる――?

n-6系(リノール酸)は控え、n-3系(α-リノレン酸)を摂取する方が良い

アレルギーに関心のある方ならきっと知っている”おまじない”ですが、
その根拠は PGTh2 偏向因子という点にありました。
しかし、この説には決定的証拠はなく、
厳密な意味での Th2 偏向因子は”空席”のままなんだそうです。

こうした中、ビックリするような論文を目にしました。
一読した私は、湧き上がる興奮を抑えられませんでした。
みなさんも、きっと驚くと思います。
なぜなら……

樹状細胞から分泌されるドーパミンが Th2 偏向因子である

ほら、驚いたでしょ?
間接的に影響しているだろうとは考えていました。
しかし想像をはるかに超え、
ドーパミンはもっと直接的に免疫を制御しているようです。

図をクリックすると拡大します
免疫-6

免疫におけるドーパミンの重要性を報告しているのは、
中野和久先生(産業医科大学医学部)らのチームです。
上に紹介した【図】は、
「ドパミンを介した免疫制御機構の解析」に掲載されている図に加筆したもの。
昨年の12月、『埼玉医科大学雑誌』に掲載された論文です。

中野先生らの研究によれば、
樹状細胞はアミノ酸のチロシンからドーパミンを合成します。
こうして合成されたドーパミンは、
【免疫シナプス】で Th0 に向けて分泌されるらしい。
これはドーパミン神経の神経伝達とそっくりです。
脳のドーパミン細胞で合成されたドーパミンは、
軸索を輸送されて神経末端からシナプスに向けて分泌されます。
まさにこれと同じことが免疫系でも行われているというわけで、
【神経伝達物質】ならぬ【免疫伝達物質】として機能しているようです。

シナプス前細胞からシナプス間隙に放出されたドーパミンは、
シナプス後細胞のドーパミン受容体にキャッチされ、
細胞内に化学反応の連鎖を誘発します。
同様に Th0 の細胞膜にはドーパミン受容体があり、
ドーパミンをキャッチすると化学反応の連鎖が始まる。
その結果、Th0 Th2 に分化する――

抗原提示は単にペプチド断片を見せるだけでなく、
同時に Th0 の分化偏向をコントロールするのです。
単純にいえば、IL-12が分泌されれば Th1 となり、
ドーパミンが分泌されれば Th2 になるということでしょう。
まさに、免疫反応も化学物質によって制御されています。

もちろん、中野先生らの研究は現在も進行中。
最新の論文を拝見すると、
さらに興味深い成果が紹介されています。

ドーパミンの刺激を受けたTh0 では、
濃度依存的にIL-5の産生が亢進します。
IL-5はB細胞や好酸球の増殖・分化を促すサイトカインです。
つまり、 Th2 型の免疫に関わります。
ところがその後の研究で、
IL-17の産生誘導が桁違いに強いということがわかったらしい。
IL-17を分泌するのは Th17 です。
ということは、Th2 偏向因子というよりも、
【免疫シナプス】に分泌されるドーパミンは、
むしろ Th17 偏向因子である可能性が出てきました。

ここで、Th17 という名前の登場です。
これまで【Th】の亜集団として Th1 Th2 が知られており、
そのバランスによって免疫が調整されるというのがこれまでの通説でした。
しかしこれに加えて、
最近になって Th17 Treg という新しい亜集団の存在が明らかにされています。
免疫の話しに詳しい方なら、きっとご存知でしょう。

免疫界で今もっとも注目されているのが Th17 です。
なぜなら、これまでの考え方を修正する必要に迫られるから。
Th2 が過剰に働くのがアレルギー疾患――
そういう単純な理解では済まなくなり、
従来の治療法も見直す必要に迫られてきます。

その話題の”ニューフェース”である Th17 の分化に、
ドーパミンが決定的な役割を果たしている可能性がある!
これが本当なら、
ストレスが免疫力を低下させる理由がすんなり理解できる。
そして、シックハウスが免疫を揺さぶるメカニズムも見えてくる。

そこで次回は、
ドーパミン神経の異常が免疫系に及ぼす影響を推理してみましょう。



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