世界でたった一つしかないあなただけの家  FPだからできる夢の大空間

  「FPの家」槻岡建設のナビゲーター   トップページ > スポンサー広告> 住まいの医学 > アトピー性皮膚炎、最新の研究から  

スポンサーサイト

-- - --/-- [--] - --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アトピー性皮膚炎、最新の研究から

2009 - 11/02 [Mon] - 23:21

シックハウス症候群や化学物質過敏症の問題を語る場合には、
しばしばオーガニック志向と表裏一体だったように思えます。
(合成)化学物質はたとえ微量でも有害であり、
自然や天然が健康に良い――
こういう黒か白かの二者択一はとてもわかりやすいのですが、
いささか牧歌的に走りすぎる嫌いがあり、
しかも”ほころび”が目立ってきました。

科学の進歩は日進月歩ですから、
かつては見向きもされなかった説の正しさが証明されることもあります。
そうかと思えば最新の知見次第では、
間違いないと思われていた説が誤っていたことが判明します。
その場合、誤りは素直に認めるべきでしょう。
大切なのは一歩ずつ”真実”に近付いていくことであり、
科学の目的は人間を幸福にすることです。
しかしその目的を忘れ、
人間はしばしば自説を墨守することを”目的”にしてしまいがちです。

免疫界で絶対的な支持を得てきたTh1/Th2バランス説さえ、
永遠不変のドグマではありません。
現に発表から20年が経過した今日、
ダイナミックな見直しが急ピッチで進んでいるようです。
現在の考え方は不十分だった――
近い将来、そうなってしまう可能性も十分あります。

さて、本題です。
【Th1/Th2バランス説】と対になり、
これまで免疫の柱となってきたのが衛生仮説(Hygiene Hypothesis)です。
2万人近い方を追跡した大規模な疫学調査の結果を踏まえ、
1989年、イギリスの Strachan らが発表した有名な仮説です。

お母さんの胎内にいる赤ちゃんは、
羊膜によって外界から遮断され、病原体の脅威から守られています。
さらにお母さんの血液を通じて酸素や栄養を補給されているわけですから、
本来ならこれを異物(非自己)として排除する免疫が働くはずです。
ただしそれでは流産しちゃうので、
赤ちゃんは Th1 が抑制された状態にあります。

免疫-11

出産とは、いいかえれば無菌状態からの独り立ちです。
外界のおびただしい菌に曝されることにより、
赤ちゃんには自己防衛能が備わっていきます。
こうして速やかに Th1 が勢力を増し、
Th1 Th2 のバランスが成立します。

ところが第2次世界大戦後、
先進国では劇的に衛生状態が改善されました。
同時に第一次産業が衰退し、
人々は都会に大移動して自然との接触も減ってしまった。
こうして菌に曝される機会が減ったことにより、
Th1 への分化誘導が弱まります。

その一方で、住宅の快適性の向上は、
人間以外の生命にとっても好都合でした。
室内でカビ(真菌)やダニに接する機会が増加し、
Th1 が刺激されないことと相まって、
現代人はどうしても Th2 優位に傾いてしまうのです。

これが衛生仮説のあらまし。
ざっくばらんにいえば、
不衛生ならアレルギーにならない――という結論になります。
その後ドイツでの研究により、
家畜を飼育している農家の赤ちゃんがアレルギーになりにくいことがわかりました。
原因は細菌のエンドトキシン(内毒素)への曝露で、
衛生仮説を裏付ける有力な根拠とされています。

この衛生仮説、以前取り上げたことがあります。 こちらです
ただし、都合よく利用されるケースも多く、
私はこの衛生仮説を振りかざす意見があまり好きでなかった。

ほら御覧なさい、世の中が合成品で溢れるから病気になる。
やっぱり、昔のような自然な暮らしが健康にいいのよ!


それなら、”ばい菌”うじゃうじゃの不衛生な暮らしがいいって事ですか?
アレルギーにさえならなければ、
細菌やウィルス感染で死ぬのも【自然】と割り切れるんでしょうか?
それは違うと思うのです。
それどころか、衛生仮説と矛盾する現象も次第に明らかになってきました。

免疫-12

免疫が暴走して自分自身の正常な細胞を攻撃する自己免疫疾患は、
典型的な Th1 優位から起こる病気と説明されています。
現代社会が Th2 優位になるなら減少して良さそうなものですが、
衛生的な国や地域で、かえって発症頻度が高いという報告が相次いでいます。
関節リウマチ(RA)をはじめとする【膠原病】はその代表的なもの。
中枢性脱髄疾患である多発性硬化症(MS) Th1 病と考えられていますが、
その患者数もやっぱり増加傾向にあるようです。

Th1 の作用が弱くなれば減るはず――そのはずなのに辻褄が合いません。

こうした中で発見されたのが、Th17 という新しいサブセットでした。
これが自己免疫疾患や慢性炎症に関わることが明らかになると、
【Th1/Th2バランス説】と合致しなかった現象も説明できるようになりました。
それとともに、治療法の見直しが始まっています。
Th1 が優位なら Th2 に傾けてやれば良いわけですが、
実際にはかえって病状を悪化させているケースがあるからです。
免疫界には大規模なパラダイム変換が生じており……

もはや Th1/Th2バランス説 だけで説明できない

そういう状況に変わりつつあるようです。
考えてみれば、確かに二者択一では単純すぎます。 例えば、神経系の複雑さと比べてみて!

【補足】
昨年末、アレルギー疾患に関与する Th2 のようでちょっと違う、
全く新しいTh細胞の発見が報告されています。
専らIL-9やIL-10を産生することから Th9 と呼ばれており、
アレルギー疾患でも大規模な見直しが始まる可能性が出てきました。


アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis/AD)は、
代表的な Th2 病と考えられています。
しかしIgEが高値でなく、アレルゲンが特定できない患者さんも確認されており、
こうした事例は【自然型アトピー】と呼ばれています。
そんな中、 Th17 との関係に注目する研究が始まっています。

例えば椛島健治先生(京都大学医学研究科)らは、
アトピー性皮膚炎患者さんの抹消血中のリンパ球を調べてみました。
すると重症度とともに Th17 の割合が増加し、
健康な方に比して、重症者では有意に高値を示しました。
また Th17 の割合は Th1 Th2 のバランスと相関していませんでした
次に組織浸潤を確認した結果、Th17 が真皮上層部に多く認められています。

図をクリックすると拡大します
免疫-13

特に急性期には Th17 の組織浸潤が著しく、
重症度が高いほど著しいことがわかります。
反対に慢性期には急減していますが、
従来から慢性期には Th1 型反応に移行するといわれてきました。
Th1 サイトカインである IFN-γ の発現が認められることが理由ですが、
IFN-γ は病気を重症化させているのではなく、
むしろ防御的に作用している可能性もあるでしょう。

もしアトピー性皮膚炎の発症に Th17 が関与しているとすると、
面白いことが見えてきます。
一般に好発年齢は0~5歳の乳幼児とされ、
小学校高学年までに軽快するパターンが多いとされています。
これを神経系の発達と重ねてみましょう。

免疫-14

これはスキャモン(Scammon)の発育曲線というものですが、
成人を「100」とした場合の発育量を表わしています。
【一般型】は身長・体重といった主に骨格系の成長曲線であり、
【リンパ型】は免疫に関わる組織の成長曲線です。
【生殖型】は生殖器を表わし、最も遅れて思春期以降に発育します。
そして【神経型】というのが神経を司る脳の成長曲線です。

0~3歳までは、全体的に爆発的な成長を示します。
しかし3歳以降は【一般型】の成長がいったん小休止し、
【神経型】の成長が際立っています。
つまり幼児~学童期は、脳の成長に全エネルギーを集中するのです。

ここで、二次的晩熟性という話を思い出してください。
お母さんのお腹の中で巨大な脳を完成させてしまうと、
出産が困難となり、胎児だけでなく母体を危険に陥れてしまいます。
そこで人類は未熟児で出産し、
誕生後に脳を完成させる戦略を採用しました。
出産時には400gだった脳重量は6歳頃には成人の90%まで巨大化し、
10~12歳頃に成人と同じ1400gとなります。
以後脳重量が増加することはなく、20歳頃をピークに減少に転じます。

ちなみに、重いほど知能が高いというわけではありません。
脳機能にとって重要なのはシナプスの接続で、
特に前頭前野は生涯”成長し続ける”といって良いと思います。
ぜひ、お年を召しても頭を使うことをお忘れなく!

こうした脳の成長過程と照らしあわせると、
アトピー性皮膚炎が0~5歳に好発することに納得できないでしょうか?
恐らく脳が未熟なため、ドーパミンの制御が働かないのです。
そうなれば、 Th17 優位になりやすいことが理解できる。
この裏返しで小学校高学年で軽快するのは、
脳が完成して本格的な稼動を始めるからと説明できます。
リンパ組織の機能が顕著に高まることとあわせて、
神経と免疫のコンビネーションが始まるのでしょう。

むしろ問題なのは、近年増加しているという【成人型アトピー】です。
小学校高学年で軽快しないまま症状が悪化し、
あるいは思春期・成人期になって発症するアトピー性皮膚炎を指します。
これは脳の未成熟では説明できず、
脳の機能、とりわけドーパミン系の機能が不十分なのではないでしょうか?
20歳以降に発症するケースでは一時的ということもありますが、
症状が幼児期から継続しているケースでは、
事態はもっと深刻かもしれません。
脳が完成しないまま、成長を止めてしまった可能性があるからです。

成長する子供の環境を整えることはとても重要です。
心を痛めるストレスは脳の成長を阻害し、
ひいては免疫バランスも崩しかねません。
そして……

汚染された空気を吸い続けさせてしまう事も
子供の成長にマイナスに作用する


ドーパミンの働きをかく乱するからです。
いうまでもないことですが、時間は決して後戻りできません。
0歳から12歳で脳の原型は固まり、
後はこれを足がかりに前頭前野の応用力を高めるだけ。
20歳になってから基礎を作ろうとしても、それはもうできないのです。

もちろん、シックハウスの原因は化学物質だけではありません。
カビやダニ、そして花粉もシックハウスの要因の一つです。
アレルギーやアトピー性皮膚炎になってしまうのは、
こうしたアレルゲン(Allergen)が問題――
私はそう考えてきましたし、
それが悪化要因であることは疑いの余地がないでしょう。
しかし免疫シナプスにドーパミンが”参加”しているとなると、
脳の成長阻害が【自然型アトピー】の原因となっているとも考えられます。
私自身、”古い理解”を修正する必要がありそう(>_<)
化学物質の直接的影響は脳にとどまらない!
その分、化学物物質対策の重要性はますます増すでしょう。

さて。
Th細胞には現在4つのサブセット(亜集団)があります。
その中に聞きなれない「 Treg 」という名前が見えます。
本来、免疫反応を推進するのがT細胞の仕事ですが、
これは”免疫反応をストップ”させるユニークな働きをしている。

そこで次回は、Treg のお話しです。



猫マーク ブログランキングに参加しています。
 ポチッとしていただければ感謝です。

 人気ブログランキングバナーにほんブログ村 猫ブログ ノルウェージャンフォレストキャットへ


■ 過去の記事を検索する方法のお知らせ

『月別アーカイブ』、もしくは『カテゴリー』をクリックすると、
最初に一覧が表示されるように改造しました。
タイトルをクリックすると、該当する記事に移動します。
これまで書いた過去の一覧を見たい方は、
『全記事表示』をご利用下さい。

読みやすいブログになるよう、
これからも少しづつ手を加えていきます。

スポンサーサイト

コメントの投稿





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://fptsukioka555.blog86.fc2.com/tb.php/308-7e844519

 | HOME | 

プロフィール

fp-tsukioka

Author:fp-tsukioka
群馬県の「FPの家」施工会社
店舗・工場・公共工事の施工もします

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

最新記事

全記事表示

月別アーカイブ

カテゴリ

最新コメント

最新トラックバック

いらっしゃいませ

検索フォーム

リンク

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。