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キメラと免疫寛容

2009 - 11/04 [Wed] - 23:58

世間を騒がせている【某34歳独身女性】は、
1ヶ月にブログを200回も更新していると聞きました。
凄い……というか、もう病的です。
あくまでもニュースで話を聞いて感じた印象ですが、
この方は演技性人格障害なのではないでしょうか?
ネット上で”自分ならぬ自分”を演じたいという、
恐ろしいまでの情念を感じます。
その際、他人がどうなろうと知ったことではありません。
全く傍迷惑な病気ですが、
自分さえ良ければよい――そういう人間が増えているような気がしませんか?

別に自分を演じたいとも思わない私は、
一向にブログの更新がはかどりません。
間違った情報を発信しちゃいけないと思うと、
かえって”苦痛”に感じるときさえあります。
そのせいで、下調べばっかりに時間がとられちゃう(=_=)
読んでくださっている皆様も、
どうか寛大な心で気長に更新をお待ち下さいませ。

さて。
ギリシア神話に【キメラ】というモンスターが登場します。
頭はライオンで、胴体はヤギ、尻尾は蛇という恐ろしい姿をしています。

キマイラ

ギリシア神話にはこうした怪物がたくさん登場します。
例えば、馬の胴体+人間の上半身がケンタウロス。
馬+鳥の翼でペガサス。
そういえば現代のゲームにも、人面魚とかございます。

これらはあくまでも架空上の生き物ですが、
一つの個体の中に複数の遺伝子が混合する生命体を、
生物学ではキメラ(chimera)と呼びます。
これは最初に登場したギリシア神話の【キメラ】に因んでいるんです。
ただし、人工的に【キメラ】を合成しようとしてもそりゃ不可能。
というのも、拒絶反応が起こってしまうからです。

この拒絶反応に関わるのが主要組織適合遺伝子複合体であり、
【major histocompatibility complex】を略して MHC と呼ばれています。
すでに紹介したとおり、
これを使って抗原提示を行うことで獲得免疫が発動します。
いわば、自己と非自己を識別する目印といっても良いでしょう。

ほとんどの脊椎動物が MHC を持っており、人間も例外ではありません。
人間の MHC に相当するのは HLA です。
赤血球に血液型があるのは有名ですが、
フランスの Dausset は、1954年、白血球にも血液型があることを発見しました。
これが白血球の血液型で、
【Human Leukocyte Antigen】を略して「HLA」といいます。

MHC には大きく2種類あり、
それがMHCクラスⅠとMHCクラスⅡです。
人間のMHCクラスⅠにはHLA-A、HLA-B、HLA-Cの3種類があり、
MHCクラスⅡにもHLA-DR、HLA-DQ、HLA-DPの3種類があります。
この内、MHCクラスⅡは主に免疫担当細胞専用のツール。
樹状細胞やマクロファージが抗原提示に使用します。
反対にMHCクラスⅠの方は、
赤血球などを除くほぼ身体中の全ての細胞に存在します。
つまり、HLA を持っているのは”白血球”だけに限りません。

赤血球の血液型がわずか4種類なのに比べて、
HLA型の種類はとても膨大な数にのぼります。
だって、同じ【HLA型】がそこら中にいたら”目印”にならないでしょ?
遺伝子解析からはじき出せる理論上の組み合わせは、
ナンと4000億通りにも達するそうです。
実際の組み合わせはもっと少なくなるそうですが、
「自分と同じ人」は滅多にいないことがわかると思います。

免疫-15

これはMHC-クラスⅠのリボン図ですが、
α1とα2のドメインが溝を形成して抗原ペプチドを提示する様を表わしています。
【HLA型】によって変わるのはこの溝の形です。
身体の中の細胞は、全て同じ【HLA型】になっていなければなりません。
しかし、たとえば細胞がウィルスに感染してしまったとしましょう。
すると、溝に結合するペプチドはウィルス由来のものになります。
つまり、同じ型でなくなってしまう
そうするとこれを排除するため、T細胞の一斉攻撃が始まるわけです。

ちなみに【図】の中で赤く示されているのは、
「HIV」というヒト免疫不全ウィルスのペプチド断片です。
一般に「エイズウィルス」と呼ばれているのがこのウィルスです。

このように MHC は免疫において重要な働きをしていますが、
臓器移植の際にはちょっと厄介な問題を引き起こします。
【HLA型】が一致しないものは全て免疫の攻撃対象ですから、
移植された臓器に対して拒絶反応を起こしてしまうのです。

免疫-16


臓器移植の場合に問題となるのはHLA-A、HLA-B、HLA-DRで、
中でも、HLA-DRの一致が特に重要だといわれています。
両親はそれぞれ2組のセットを持っていますから、
子供が持つ【HLA型】の組み合わせは4通りあることがわかります。
ここで子供の一人に臓器移植の必要性が生じたとしましょう。
兄弟とは4分の1の確率で型が一致する可能性があります。
かなり高い確率です。
しかし兄弟がいなければ、他人から提供していただかなければなりません。
その場合の確率は、数百~数万人分の1に下がります。

ただし他人とはいっても、まんざら”赤の他人”でもありません。
【HLA型】が一致するということは、
お互い祖先を遡っていけばどこかで兄弟だったことを意味するからです。
このため【HLA型】には民族的・地域的な偏りがあり、
外国で臓器提供者を探すより、
同じ国内で探す方が格段に確率が高くなります。

ところが、他人以上に確率の低い人がいる。
もうわかりますね?
両親と子供で一致する確率はとても低いのです。
お父さんとお母さんが”赤の他人”なんだから仕方ありません。
そこでどんなにお子さんが愛おしくても、
親御さんが自分の臓器を子供に提供することは難しい。
ところが、お母さんの場合は別――ということがわかってきました。

そもそも、妊娠という現象を考えてみて下さい。
お母さんは10ヶ月もの間、お腹の中で赤ちゃんを育てます。
しかし赤ちゃんの半分は、お父さん由来の”赤の他人”です。
つまり、【HLA型】が一致していません。
それなのに、お母さんの免疫は異物である赤ちゃんを攻撃しません。
赤ちゃんにとっても、お母さんの半分は”赤の他人”。
しかし、なぜか拒絶反応を起こさない。

こうした不思議な関係は、出生後にも持続します。
出産後20年が経過した時点でも、
それぞれの体内に記憶されているケースがあるんだそうです。
これも一種の免疫記憶なのでしょう。
その場合、【HLA型】が違っても臓器移植が可能!
これが母子間免疫寛容(母子間マイクロキメリズム)です。

非常に厳密な免疫の網の目をくぐりぬけ、
母子間免疫寛容が成立するのはどうしてなんでしょう?
かつては、妊娠によって免疫が低下するからと説明されていました。
しかし近年では、
免疫寛容も積極的な免疫機能のおかげと考えるようになってきた――
その鍵を握るのが Treg です。

Treg はTh細胞のサブセットの一つで、
【Regulatory T cll】を意味します。
日本語では「制御性T細胞」、あるいは「調節性T細胞」と呼ばれています。
免疫反応を抑制的に調整するのが仕事で、
いわば免疫にブレーキをかけるという特異な働きをしております。
Treg が低下すると自然流産が起こることから、
これが免疫寛容に関与していることは間違いありません。
さらに、自己免疫疾患との関わりでも注目されているようです。

もはや免疫を、【Th1/Th2バランス説】だけで説明することはできません。
これに加えて、Treg Th17 を考慮する必要があります。
免疫反応は多層的に制御されているようで、
簡単に一言でまとめれば……

   Treg は免疫反応を抑制する
   Th17 は免疫反応を促進する

そう理解して宜しいのかと思います。
次の【イラスト】は日本化学工業協会の研究報告書から引用したものですが、
4つのサブセットの関係をとてもわかりやすく表現しています。

免疫-17

というわけで、今日の話しはここまで……の予定だったんですが、
調べているうちに面白いことがわかってきました。
そのせいで、ブログの更新も遅くなった(>_<)

胎盤の絨毛細胞では IDO が活性化し、
これが妊娠を維持するためには必須条件ということがわかってきました。
さらに IDO は樹状細胞にも発現して Treg を誘導し、
これが母子間免疫寛容を成立させるんだそうです。
母子接点の場では……

IDO と Treg が協調的に働くことが重要

ここで新たに登場した IDO という名前。
【indoleamine 2,3-dioxygenase】の略で、
アミノ酸のトリプトファン代謝に関わる酸化酵素です。
実はこの「IDO」という文字を目にした途端、
徹底的に調べずにはいられなくなりました。

トリプトファンから生合成されるのが有名なセロトニン(erotonin)です。
トリプトファン水酸化酵素(TPH)によって5-ヒドロキシトリプトファンとなり、
さらに脱炭酸によってセロトニンになります。
ただしトリプトファンの代謝経路はこれだけでなく、
摂取されたトリプトファンの90%以上がキヌレ二ン経路に入るといわれています。
ということは、メインルートはむしろ”こちら”です。

免疫-18

IDO は五角形のピロール環を一気に開裂し、
トリプトファンをN-ホルミルキヌレニンに変えます。
ここからホルミル基がホルムアルデヒドとなって離脱することで、
キヌレニンが生成されます。
このキヌレニンは尿の黄色色素(ウロクロム)の原料として有名で、
さらにナイアシン(niacin)もキヌレニンから生合成されます。
ナイアシンは【ビタミンB】のことですが、
実はトリプトファンを原料に体内でも合成されているんです。
キヌレニン経路が重要だってわかるでしょ?

もちろん1つの原料から2つのものは同時にできませんから、
キヌレニン経路が活性化すると、
必然的にセロトニン合成は低下することになります。
ということは、Th17 にドーパミンが関わっていたように、
Treg にはセロトニンが関与するんでしょうか?

むしろセロトニンは、ドーパミン以上に免疫と強い関係が知られています。
神経伝達物質として脳で活躍するのは全体のわずか数%で、
その多くは末梢で利用され、
セロトニンの名称そのものが【serum】、つまり「血清」に由来するのです。
血小板はその内部に蓄えたセロトニンを放出し、
血液凝固作用や血管収縮作用などの炎症反応を誘発します。
そして感染症や炎症が刺激となって、
IDO の発現が爆発的に増加することも知られています。

ひょっとしたら、
血中セロトニン濃度が高くなると Treg が誘導される――
そんな推測をしてみたのですが、
残念ながらそれを裏付けるような論文は探せませんでした。 残念 (T_T)
ただし、とても興味深い論文があったので紹介しましょう。

マウス胎児の発育には、セロトニンがとても重要な働きをしています。
しかしマウス胎児がセロトニンを合成できるようになるのは、
妊娠後期(第3期)になってからだそうです。
それでは、それまでどこから調達しているのか?
ナンと、母ラットからセロトニンの供給を受けているというのです。

これを報告したのはフランスの J.Mallet らのチーム。
セロトニン合成能を低下させた母ラットから生まれた子供は、
43匹の胎児の実に37匹に発達障害が生じたそうです。
もちろん人間の場合にも同様のことが行われている可能性があるわけで、
それが胎児の Treg を誘導し、
お母さんに対する免疫寛容を成立させるのかもしれません。

お母さんという存在は、ナンと偉大なんでしょう。
自分の身体ばかりでなく、
胎児の成長すらコントロールしているようです。
まさにお腹にいるときから緊密なコミュニケーションをしているわけで、
その”母子の会話”には化学物質が使用されているわけです。
悔しくても、父親には真似ができない!
子供がお母さんに懐くのも仕方がありません(T_T)

しかし、それだけ責任重大ということです。
鬱の一因はセロトニン合成の低下といわれています。
その大きな原因はストレス、そして化学物質も影響する――
私は主にドーパミンを取り上げていますが、
高濃度のトルエンに曝露することはセロトニン代謝にも影響します。
もしお母さんのセロトニン合成能が低下してしまったら、
お腹の子供に分けてやる分が少なくなるのは火を見るよりも明らか。

しかも Mallet らの論文では、
セロトニン以外の生理活性物質が同じように機能している可能性もある――
そう指摘しています。
ということは、ドーパミンもでしょうか?
ストレスやシックハウスは胎児にまで影響を与えかねないようです。

最後に。
それならお薬でセロトニンを増やしましょう……
なんて安易に考えないで下さいね。
肝心なのはお母さん自身の合成能ですから、
お薬を使ってお母さんの体内量を増やしても効果はありません。
それどころかお薬に依存することで、
合成能自体は低下する危険性すらあります。
もちろん自然由来の成分であっても同じことです。
どうか、くれぐれもご用心下さい。



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