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活性酸素は毒じゃない・・・

2010 - 07/23 [Fri] - 15:22

梅雨があけましたね。
今年も真夏の到来です。
近くの館林市では、早速38℃を記録しました。 (>_<) 暑い~~~
北関東では【猛暑日】の連続ですが、
「FPの家」の中だけは、暑さ知らずなので助かります。
気温の下がらない夜も、エアコンを止めて熟睡しております

それはそうと。
前回はメラニンをご紹介したんですが、
大変な間違いがありました。
眠い目をこすりながら書いていたせいでしょう。
何ヶ所かで「メラニン」と書いてしまっておりました。
申し訳ございません。 m(__)m 恥ずかし~~~
みなさんご存知のように、メラニンとメラトニンは全くの別物です。

メラトニン(melatonin)はセロトニンから合成されます。
カエルの表皮を白くするホルモンがあるのに気づいたラーナー(Lerner)らが、
1958年に牛の脳内から発見したメラニン色素凝集ホルモンです。
表皮に分散しているメラニン色素が集合して塊になるので、
皮膚の色は全体的に薄くなるというわけ。
その他、睡眠との関係でも注目されております。
このブログでも以前紹介しておりますので、
関心のある方はこちらをご覧下さい。


さて、久しぶりの更新です。
紫外線は人体にとって有害――
それを防ぐためにメラニン(melanin)があるわけですが、
一方で人間は紫外線なしに生きていけません!!!
紫外線利用の最も代表的な例が、ビタミンD3の合成でしょう。

図をクリックすると拡大します

hydrogen peroxidase-1

植物はビタミンD2を利用し、動物はビタミンD3を利用します。
ビタミンD3は体内でコレステロールから生合成されますが、
プロビタミンD3のB環が開環されてプレビタミンD3になります。
このときに紫外線が利用されているわけですが、
分子結合を切断するにはそれなりのエネルギーが必要です。
そのため UV-A では力不足で、
330~290nmの UV-B が活躍してくれます。

ちなみに、ビタミンD3は骨代謝に必須のビタミン。
古い骨を壊す破骨細胞を活性化すると同時に、
骨芽細胞を刺激して新しい骨の形成を促します。
さらに、骨の原料となるカルシウム(Ca)を確保するため、
腎臓でのカルシウム(Ca)再吸収を促進したりする。
そこでビタミンD3が不足すると、
脊椎や四肢骨の湾曲や変形を生じてしまいます。
これが【くる病】です。
他にも、骨密度の低下から骨折しやすくなる【骨粗しょう症】を誘発します。

過剰な紫外線は皮膚癌の原因になるのは事実ですが、
そうかといって、不足するのも問題というわけです。
もし肌の色が黒い方々が高緯度地方に移住すれば、
骨の形成異常に悩まされることとなるでしょう。
紫外線は多すぎても少なすぎてもダメ。
体内に吸収される紫外線を遮断することではなく、
最適な量に調整する――
それがメラニン色素のお仕事なんです。
その結果、肌の色が決まる。
肌の色って、ちゃ~~~んと意味があるんですね。 (>_<)

それと全く同じことが活性酸素(ROS)にも言えるのではないでしょうか。
確かに、活性酸素は有害です。
特に、ヒドロキシラジカル(・OH)は要注意。
しかし、これを”ニトログリセリン”だとすれば、
過酸化水素(H2O2は、さしずめ”ダイナマイト”のようなもの――
危険物質であることに違いはありませんが格段に扱いやすく、
上手に利用すれば”工事現場”で活躍してくれます。

活性酸素は反応性の高い化学種です。
近くにいる物質を次々に酸化するので【危険】というわけですが、
生命はそれを上手に活用しているのかもしれません。
もちろん、多すぎるのは良くありませんが、
適当な量の活性酸素は必要不可欠――
そんな風に、私は感じ始めています。

例えば、植物の発芽という問題を考えてみましょう。
これに関して、非常に興味深い研究を目にしました。
小川健一先生(岡山県生物化学研究所)によれば、
活性酸素によって植物の発芽が促されるというのです。
生命にとって有害な物質であるどころか、
植物が元気に成長するためには欠かせないらしい……

hydrogen peroxide-2

従来の考えでは、
発芽は植物ホルモンによって制御される――
そう説明されるのが一般的でした。
植物の種子は【休眠】という一種の”仮死状態”にあるわけですが、
成長の条件が整うと発芽を開始します。
少しでも時期を誤れば枯れ果ててしまうことになるので、
いつ発芽するかは植物にとって生死を分ける大問題!!!

従来の説明はこんな感じ。
発芽をコントロールしているのはアブシジン酸ジベレリンで、
アブシジン酸が種子の休眠状態を維持します。
一方、休眠状態を打破するのはジベレリンという植物ホルモン。
ただし、「ジベレリン」といっても、
現在わかっているだけで136種類もある。
ちょっとずつ構造が違っているんですが、
上図に紹介したのはジベレリンA3(GA3)と呼ばれているものです。
植物の休眠と発芽は、
アブシジン酸とジベレリンによって制御されていると考えられてきました。

ところが。
活性酸素――、具体的には過酸化水素(H2O2と理解していただいて結構ですが、
この活性酸素が発芽に関与していることがわかってきました。
植物の種子を過酸化水素(H2O2)で処理すると発芽率が向上し、
その後の成長も促進されるというのです。
農業の現場では、すでに応用されている技術です。

これとは反対に、
抗酸化剤で活性酸素を消去するだけで発芽は抑制されます。
そこでもう一度、アブシジン酸をとくとご覧ください。
アブシジン酸は抗酸化物質として有名なβ-カロテンから合成されます。
恐らく、アブシジン酸にも抗酸化作用があるんでしょう。

そこで、こんな風に解釈できるわけ。
抗酸化力が優勢な間は休眠が続き、活性酸素が増加すると発芽が始まる――
これまでの理解とは全く異なります。
活性酸素の位置づけは、副次的に生じる”毒”というものでした。
それを消去し”解毒”するのが抗酸化物質という説明でしたが、
こういう単純な理解は誤っているようです。
紫外線の場合と同じように、
活性酸素を程良い濃度に調整するのが抗酸化系のホントの機能らしい……

それでは、種子を発芽させる活性酸素はどこから入手するんでしょうか?
休眠状態の種子では、代謝機能が完全に停止しています。
種子の中で合成されるとは考えられません。
それなら外から……?
そう推測して調べてみたら、ビンゴ \(^o^)/ でした。

hydrogen peroxide-3

このグラフは、大気中の過酸化水素の濃度変化を示したものです。
山田悦先生(京都工芸繊維大)の論文に掲載されているものに加筆いたしました。
大気中の過酸化水素濃度は0.18~6.96ppbの間を変動したそうですが、
それを月毎の平均値で比較すると温度との相関が見られ、
気温25℃前後で増加することがわかりました。
これは大気中の光化学反応が活発化することの反映で、
水に溶けやすい過酸化水素は、
速やかに雨水中に取り込まれて土中に浸みこんでいきます。
すると、どうなりますか?

発芽の三大条件は、酸素温度です。
雨水に含有される過酸化水素濃度をチェックするだけで、
この3つの条件をいっぺんに知ることができる。
こうして、植物は発芽の季節の到来を察知するのでしょう。
3~4月頃から大気中濃度が明らかに上昇に転じているでしょ?
木々が芽吹く頃に降る雨のことを、
「芽吹き雨」とか「育花雨」というそうです。
あるいはお釈迦様の誕生の故事にちなんで、
「甘露の雨」と表現される場合もあります。
これを科学的に表現すれば、
「過酸化水素に富んだ雨」ということになるんでしょう。
ちょっと味気ないですか? (=_=)

繰り返しますが、活性酸素は非常に反応性が高い。
そこで、酵素の力を借りずにアブシジン酸を自動酸化(auto oxidation )します。
すると……
種子は長かった休眠状態からお目覚め!!!
発芽のために代謝機能を再起動し、ミトコンドリアの活動も始まります。
その結果、生命活動のエネルギーとなるアデノシン三リン酸(ATP)が合成される。
そういう意味で、活性酸素はとても便利な化学種なんです。
使い方さえ誤らなければ、
”ダイナマイト”がとても重宝するのと同じってわけ。

ところが、ATP の生産開始に伴って、
今度は植物の呼吸鎖(電子伝達系)で活性酸素が発生し出します。
そのメカニズムの詳細は、こちらをご覧ください。
確かに、大量の活性酸素は生命にとって好ましくない。
中でもヒドロキシラジカル(・OH)は取り扱い注意の”ニトログリセリン”ですから、
できれば消去してしまう方が安全です。
そこで植物が利用しているのが、
アスコルビン酸(AsA)グルタチオン(GSH)という抗酸化物質です。
代謝活動の開始に伴ってアスコルビン酸とグルタチオンの合成も始まり、
AsA-GSH 回路が植物の抗酸化系の中心として活躍します。

図をクリックすると拡大します
hydrogen peroxide-4
アスコルビン酸とは、ビタミンCのことです。
グルコースを原料にして、グルクロン酸がラクトン化することで生合成されます。
動物にとっても重要な抗酸化物質であることに変わりなく、
活性酸素から身を守るために手に入れた最大の武器の一つです。
人間の脳にも大量に含まれていますが、
人間はL-グロノラクトンオキシダーゼ(GLO)という酵素を欠損しています。
そのためアスコルビン酸を生合成することができず、
常に体外からビタミンとして摂取する必要があるわけです。


AsA-GSH 回路によって活性酸素が消去されるわけですが、
それはあくまでも多すぎる分に限られます。
活性酸素の全てが”不要な廃棄物”であるわけではなく、
発芽後も生命活動に必要不可欠な物質であることに変わりない。
それどころか、非常に巧みに利用している!!!

植物自身が活性酸素を積極的に合成していることもわかってきました。
その一つが NADPHオキシダーゼ(NOX)という酵素です。
NOXNADPH の電子(e-)を利用して、
酸素(O2)からスーパーオキシドアニオン(O2-を生成します。
これが過酸化水素に変えられるわけですが、
過酸化水素は ATP 合成を促すシグナル分子として機能する。

しかし、活性酸素は多すぎても少なすぎてもダメ――
そこでグルタチオンの出番となるわけです。
抗酸化物質であるグルタチオンの役割は、
体内の活性酸素を最適な量に調節すること。
ここでも重要なのは活性酸素とグルタチオンの存在比であり、
活性酸素>グルタチオンなら活性酸素を減じる力が作用し、
ATP を消費してグルタチオンの合成が活発化します。
反対に活性酸素<グルタチオンなら、
活性酸素を増やす力が作用するはず……

そういう意味で注目しているのが、
グルタチオンオキシダーゼ(GSHOx)という酵素の存在です。
還元型グルタチオン(GSH)を電子供与体として、
酸素(O2)を2電子還元して過酸化水素を合成します。
ところが、この酵素について詳しく調べようと思っても、
「glutathione oxidase」ではなく「glutathione peroxidase」がヒットしちゃう…… (=_=)
【グルタチオン=抗酸化物質】っていう先入観があまりにも強すぎるようです。
同様に、【活性酸素=毒】というイメージも、
私達の脳裏に強烈に焼き付けられてしまっているのかも……
しかし最近になって、
こうした単純な解釈に疑問を投げかける意見が出され始めたというわけ。

「活性酸素=毒」の構図は真実の一部ではあるが、その構図を意識しすぎてきたあまり、これまで残りの真実が見落とされてきた。このようなことは、活性酸素に関する研究だけに当てはまるものではない。真実を見逃さないという意味からも、物事は多面的に理解することがきわめて重要である。

小川先生のご指摘ですが、これは人間を含む動物にも言えることだと思います。
実際、グルタチオン合成を阻害すると植物の老化が遅延され、
個体の死も抑制されるそうです。
普通なら、グルタチオンを増やせば長生きする――って思うでしょ?
でも、実際は違うらしい……

確かにグルタチオン合成を阻害すると、
細胞内の活性酸素量、あるいは脂質過酸化物は上昇します。
ただし、それだけで細胞を死に至らしめる量には達しないということです。
それどころか細胞の成長を促すには不十分なんでしょう。
むしろグルタチオンは活性酸素の合成に協力し、
生じた活性酸素が NOX を誘導する――
すると、さらに大量の活性酸素が合成され、
植物の成長が促されるんじゃないかと考えております。

だって、考えてもみて下さい!!!
植物にとって活性酸素が有害なだけなら、
なんでわざわざ自分で合成する必要があるんでしょうか?
決して、副次的に生じる厄介な副生物などではありません。
適当な量の活性酸素は植物を元気にする――
こうした新しい観点に立てば、
活性酸素消去系の役割が活性酸素を無毒化するという説明は不適切です。

善か悪か――みたいに単純な問題ではなく、
活性酸素の濃度を調節することで、
植物の成長を制御するのがグルタチオンのホントの機能なんでしょう。
いいかえれば、活性酸素量をチェックするセンサーのようなもの――
グルタチオンも多ければいいっていう問題ではなく、
植物にとっては活性酸素の不足した状態と判断されるわけです。

ただし植物が元気に成長するということは、
その分、ライフサイクルは短くなることを意味します。
立派な花を咲かせ、栄養たっぷりの種子を残して一生を終えて行く――
でも……、それこそが植物の目的なんじゃないでしょうか?
確かに抗酸化力を高めて活性酸素を消去し尽くせば、
成長が阻害されるのでライフサイクルは長くなると推測できます。
でも同時に活力も失い、
花も咲かせず種子も残さないまま冬が訪れてしまう。
果たして、それが植物にとって好ましいことなのかどうか……
そんな筈はないと思うのです。

いかがですか?
今回ご紹介したのはあくまでも植物の例ですが、
全く同じことが、私達人間にもいえるとは思いませんか?
梵我一如――
人間の生命活動も自然界の摂理に従います。
もちろん、人間の体内でもグルタチオンは合成されますし、
一方では活性酸素を合成する NOX も存在します。
体内の生化学反応は、単なる偶然の連鎖に過ぎません。
しかし活性酸素とグルタチオンの存在比によって調節され、
あたかも特別な意志を持っているかのように、
環境に適応しつつ、
ライフサイクルが見事にコントロールされるのではないでしょうか。

最後に。
活性酸素が悪者なら、
グルタチオンはこれを消去するヒーローと考えられているようです。

グルタチオンの抗酸化作用はポリフェノールやカテキンよりも高く、
アンチエイジングの効果が期待できます。


ネット上ではこんな文章を目にしますが、
まず、大きな勘違いがあります。
ポリフェノールとカテキンは別物ではなく、
カテキンはポリフェノールの一種。
アントシアニンやイソフラボンなどと同じ【フラボノイド】に分類されます。
お間違えのないように――

次の問題として、抗酸化で本当にアンチエイジングになるのか?
実は老化のメカニズムを巡っては諸説あり、
中でも活性酸素による酸化障害は有力な仮説とされてきました。
しかし、これを否定する研究報告が出てきた。
染谷慎一先生(東京大)はこんな実験結果を発表しております。

染谷先生のグループは、早老症のモデルマウスを作成しました。
ミトコンドリアDNA(mtDNA)の修復機能を失った変異型マウスです。
正常な野生型マウスに比べて、
mtDNA の変異が加齢に伴い加速的に蓄積してしまいます。
その結果、老化が早まってしまう可哀想なマウス。 (+_+)
脱毛、白髪化、骨量低下、赤血球の循環障害、体重低下、筋肉減少――
まだ”若い”のに老化に特徴的な症状を示し、
野生型マウスの半分程度の寿命で死んでしまう……

では、mtDNA の変異の蓄積に活性酸素が関与しているのかどうか。
野生型マウスと比較したところ、
体内の過酸化水素(H2O2)レヴェルに大きな違いは観察されませんでした。
ということは、どんな結論が導かれるか……
活性酸素は老化とは関係ない――っていうことじゃありませんか?

問題は、ミトコンドリアの限界のようです。
生涯にわたって ATP を合成し続けるミトコンドリアの”寿命”は、
最大に見積もっても110~120年が生物学的限界という指摘もある。
消耗の進んだミトコンドリアは自己修復能を失い、
プログラムされた細胞死(アポトーシス)に向かいます。
その結果、老化が進行する――
わかりやすくいえば、エネルギーの枯渇に陥るというわけです。

ところが、これまでの医療は、
歳をとり、やがて死ぬことを”望ましくないもの”と捉えてきたように思います。
いつまでも若々しさを保つことを理想としてきました。
しかし、老化は避けがたいことです。
これからの医療は老化を否定するのではなく、
いかに健康的に歳をとるか――っていう問題を考えるべきではないでしょうか。

ntt-hope

この女性を、皆さんもテレビでご覧になったことがあるでしょう。
NTT Communications のコマーシャルに登場します。
この方を拝見して、美しいな~~~とは感じませんか?
それどころか、
畏敬の念すら感じてしまうのは私だけ……ですか?



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